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親と子の関係と阿弥陀仏と私たち

私の今月の心に残った仏事は葬儀会場でとても大きな写真が真ん中に飾られていたことです。居酒屋の中でご家族でそろって写っておりました。

ご葬家の方によりますと、幼いころに父と一緒にその店で食べていたとのこと。

しかし、その後三十年間その店に通うことはありませんでした。そして、あるとき旅行に行ったときにまたその居酒屋に入りました。

今度はお酒が飲める歳になって。

その時にとても喜んでくれたとおっしゃっていました。

思い出したのは私の父親の事です。あまり口には出さず、私のことを見守り、されど言うべきところは言う父です。

だけど共にお酒を飲むときにはどんなしかめっ面でもたちまちに笑顔になります。やはり父親というのは子と共にお酒を飲むということが夢なのかなと思いました。

そしてなぜ、そこまで喜ぶのかというと、私のことを見捨ててはおけない真心があるからだと思います。

だからこそ、よくぞここまで育ってくれた、ありがとうという気持ちが私に向けられていたのではないかと考えました。そう考えると私の中で父に会いたい、お礼を言いたいという気持ちが湧き上がってくるのでした。

親と子の関係と阿弥陀仏と私たちの関係はこのようなことではないでしょうか。

ある日ふと私に向けられていたただならぬ思いに気づく、そしてそれにただただお礼を言いたいという気持ちの昂ぶりが湧き上がってくるという、報恩感謝の隆起ではないかと感じるこの頃でございます。

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