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頭の中を整理し隊〜トレンド,経済,古着,など〜

.(当記事は私の頭の中のアレやコレやを整理する為の独り言です。オチはありませんので、悪しからず。)

 ファッションは世相を映す鏡である。
スカートの丈と経済状況が相関関係にあるとした"Hemline index"(George Tarlor)は有名であるが、他にも好景気の際には明るい色がよく用いられ、不景気の際には暗い色がよく用いられたりと、作り手はその時代を生きる人々の意識を服等のファッションアイテムという媒体を通じて表現している。 

 それらはしばしばトレンドという大きな波を作り出し、トップダウン的に世界中へ波及する。多くの消費者にとってトレンドは、何を身に纏うかを決める重要な指標であり、当然、作り手も決して無視出来るものではない。直近では"Y2K"や"Quiet Luxury(クワイエット・ラグジュアリー)"が特に顕著であろう。
 (当然、トレンドが景気以外の要素に起因して発生する事があるというのは言うまでも無い。当記事では、毎シーズン行われる有識者による所謂「仕掛け」的なトレンドに関する記述は省かせて頂く。)

 ただ、前述したものとは別にボトムアップ的なトレンドも存在する。砕けた言い方をすればストリートトレンドの様な表現になるのであろうが、個々人の発信力が強まる昨今では、それが業界全体に及ぶ例も珍しくはなく、遡っても"Grunge(グランジ)"等いま尚人気のムーブメントがあり、世態をダイレクトに投影したトレンドの力が強大である事が伺える(まぁコレに関しては音楽ジャンルであるGrungeが人気という事も要因の1つではあるが)。

The grunge style of Kurt Cobain

 他方、トレンドに靡く事を嫌う層も一定数いる。「スノッブ効果」という他人とは違う物を手に入れたいという心理に起因しているらしいが、これが新たなトレンドとなり民衆化されていき、また新たなトレンドが発生するという循環にある。個人的にはこの効果、思い当たる節ばかりである。(因みに既に支持されている物に人が集まる事は「バンドワゴン効果」と言われるらしい。勉強になった。)

 また少し話が逸れるが、アイテムのデザインに依るトレンドだけでなく、昨今は古着という言葉を本当によく耳にする。古着屋による古着販売ならば昔から存在していたが、それに限らず、セレクトショップによる古着のPOP-UPストアが盛んに開催され、直近だとUNIQLOが古着事業に本格的に着手した程だ。

 これは古着愛好家による地道な普及活動が功を奏したり、時間を経て良い状態(色落ち具合等)へと経年変化したアイテムが遂に日の目を浴びたと考えられるが、個人的には"SDGs"に代表されるSustainabillity(サステナビリティ)という言葉に大きく牽引された為であると考える。「同じ物を繰り返し使えば、新しい物の生産が減って環境に優しいでしょ」といった次第である(あまりにも簡潔すぎるが)。

 というより、言葉を選ばなければ半ば強いられている様にも感じる。GUCCIやBurberry等ハイメゾンのファーフリー宣言も昨今は特に顕著だ。動物愛護運動は熱を帯びる一方である。
 個人的に自然保護観点のプロテストには賛成であるが、既に売り場に並んでいる既成服に対しての過剰な呼び掛けには流石に目に余るものがある。実際、私が現在働いているトロントのセレクトショップにも見ていられない様な写真を大々的に掲げた集団が押し入り、入り口付近で営業妨害に及ぶという被害を受けた。抗議と嫌がらせは違う。勘弁してほしい。 

 とまぁ、あれやこれやと好き勝手に述べてきましたが、詰まるところ、錯綜する情報社会において殊ファッションにおけるアイデンティティーを確立する為には、莫大な発信元の中から「何を」「どこで」「どの様に」取得していくか、そして確固たる自己の確立が最も大切であると常々感じる。前者は字面の通り、後者はつまり「モッズが好きだから下はいつも細身のパンツrにブーツ」「アメトラが好きだからシャツはいつもボタンダウン」といった具合に、要は自己分析である。結局、何よりも説得力があるのは個々人のバックグラウンドなのである。
 そして結局、頭の中は整理出来ず仕舞いである。


ロン毛


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