【現代日本昔ばなし 2】クーポン男

　むかしむかし あるところに くーぽんおとこが いました。くーぽんおとこは おみせでもらった くーぽんや すたんぷかーどを つぎいついくかもわからないのに だいじに さいふに しまっているのでした。
　あるひ おとこは かれーやさんに いきました。そこで おもいました。
「ここはまえ、5のつくひに たべたときの とっぴんぐむりょうけんが あるはずだ。いやあ、とくしたなあ。」
いきようようと さいふを あけました。しかし、なかからでてくるのは すたんぷが ひとつしかたまっていない かーどや ちほうのきゃばくらの めいしばかり。
「おじさん、はやくしろよ！」
うしろのおきゃくさんに せかされて、けっきょくおとこは くーぽんけんを つかうことが できませんでした。
　いこじになったおとこは いえにかえって さいふのなかみを ひっくりかえして さがしたところ そのとっぴんぐむりょうけんは おさつとおさつのあいだに はさまっていました。
「なーんだ、こんなところに あったのか。まあいい。つぎつかえば いいことだ。」
おとこは こんどは さいふの わかりやすいばしょに とっぴんぐむりょうけんを しまいました。

　またあるとき おとこは むしょうにかれーが たべたくなったので れいのかれーやさんに いきました。
「こんどは だいじょうぶ。いちばんたかい とっぴんぐを つけてやる。」
おとこは なんと ろーすかつを とっぴんぐしたのです。かいけいじに てんいんさんに いいました。
「このくーぽんけんが あるので、ろーすかつは むりょうだよね。」
てんいんさんは いいました。
「それ せんげつで きげんきれてます。」
おとこは しぶしぶ ろーすかつだいも はらいましたとさ。

めでたしめでたし