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僕はヒーローにはなりたくない。

 10本目は『アンブレイカブル』。WOWOWでやっててなんか面白そうだなあと思って録画してたのを、ちょっと時間があいたので観てみました。

当時はあの『シックス・センス』のシャマラン監督の作品だということでハードルが上がりすぎててがっかりしちゃったという評価だったみたい。そもそも『シックス・センス』だって「最後に大逆転がある」なんて触れ込みだったらそんなにびっくりしないと思うんですよね。最近の映画で似「ラスト○分、衝撃のどんでん返し」みたいなキャッチコピーついてたりするけど、「どんでん返しがあるんだなあ」って思って観たら、もうどんでん返しにならないんじゃないかって。もう、「どんでん返しがある」ってキャッチコピーで「どんでん返しがおこらない」ことがどんでん返しになっちゃうみたいになりかねないよ。

 で、映画の内容はというと、電車事故の唯一の生存者となった主人公が「自分は不死身なんじゃないか」と気づくところから始まり、自分がヒーローだと自覚し始める話。なんかアメコミ系によくありがちで「パワー有るんだから世界をまもんなきゃ」っていう感じ。

 例えば野球が好きでもないけどめっちゃ上手い人は「プロ野球選手になってみたら?」って思うし、文章面白い人は「小説家なればいいじゃん」って思うけど、好きでもないことを仕事にするってのは大変だと思う。とはいえ、才能あるしお金稼げるんだったら、お金あれば好きなこともできるし、まあみんなそのために何かしら我慢して生きてるんだし。

ヒーロー系ってのはそれと違って、誰かの命とか地球とか、そういうもののために、命をかけて戦うのよね。で、もちろん姿は明かさないわけだし、お金ももらわない。でもきっと助けにきてくれなかったら、「あいつは助けたのに俺は助けてもらえない」って絶対文句言われんのよ。これ。まじでやってらんないでしょ。だったら不死身の肉体とか強い身体とかいらないから、普通の仕事して普通に稼いでなんか幸せな生活をおくりたいよね。

結局、「お金をもらっている」ってことはすごく大事で、これが多少の不条理を我慢する原動力になるんだと思う。辛い仕事をやってる人は、たくさんお金をもらってしかるべきだってのはみんな考えてるんだと思う。でもさ、「お金をもらってるんだから、不条理なことをやってもいい」ってのはおかしいと思う。例えば、最近では、ちょっと不調な女子スキー選手がお化粧してたら、「化粧覚える暇があったら練習しろ」とか、芸能人のプライベートな話までめちゃくちゃにイチャモンつけたり。そう、「有名税」っていう気持ち悪い言葉つかってきますよね。有名なんだから我慢しろ。って考え。これさ、有名人本人が「有名なんだからしょうがない」って考えで、周りが「有名人なんだからやってもいい」ってことじゃないと思うのよね。「お客様は神様です」と同じ使い方。大金もらってるのは仕事に対してなんだしね。

話はそれたけど、なんかヒーローってのは仕事でもないし、なんか全く割にあわないよなって、ただそれだけ。「楽して金稼ぐ」の対局にいるよね。

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