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管理職の役割とは?

管理職として組織を運営する上で、通期や半期などのタイミングで振返りを求められます。何が課題で今後どういう対策を講じるのかという振返りです。

振返りのタイミングで、全体を俯瞰してみる際の教科書として「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」という本を用いています。

自身の整理もかね、内容をまとめていきます。

インテル元CEOのアンディ・グローブ氏の著書で初版は40年前1983年ですので、かなり歴史のある本です。ただ、書かれている内容は現代でもかなり活用できます。

①マネージャーのOUTPUTは隣接組織にも及ぶ

まず、マネージャーのOUTPUTを下記方程式に分解しています。

マネージャーのOUTPUT=自分の組織のOUTPUT+自分の影響力が及ぶ隣接組織のOUTPUT

着眼点として気づきがあったのは、マネージャーのOUTPUT領域を「隣接組織」まで広げていることです。

THE MODELへの考察で分業の弊害について触れましたが、組織を分けると専業化が進み効率化が推進される反面、組織間の対立という問題が生じます。

ビジネスプロセス上で前後に位置する組織(隣接組織)と、共通目標を設計したり、相互にフィードバックしあうことにより、オペレーションにどう磨きをかけるかが対立を取り払う上でのポイントになります。

隣接組織のOUTPUTまで影響を及ぼすという考え方は非常にしっくりきますが、いちマネージャーの立場としては隣接組織まで頭がまわらないというのが実情です。

よって、隣接組織を束ねる管理職が間に入って調整する必要があります(調整によく頭を悩ませます…)。

②マネージャーの仕事をOUTPUT志向で考える


マネージャーは情報収集と情報提供を通じて、OUTPUTを高めるための仕事に取り組む必要があるという記載があります。

施策を考える際に、今できていないことを整理した後、何を新たにはじめようか?という視点で考えがちです。

OJT中心のトレーニングなので集合型勉強会を実施しよう、資料が分散しているのでよく使う資料を汎用化しようといった具合に、できていないことを新たに始めれば何か成果が生まれそうと期待します。

ただし、OUTPUTを高めることを前提に施策を組み立てようとすると、どのKPIに寄与する施策かが明確でなければいけません。

案件量の増加や案件単価の増加、案件成約率の増加などKPIの切り口はいくつかありますが、課題であるKPIを特定し、課題が生じている工程と原因を深堀しなければなりません。

本著では、全体工程に1番影響を与えている工程を制約工程(リミッティング・ステップ)と表現しています。

毎回、ボトルネックであるKPIの特定と、原因究明に苦労しています…

③良いインディケーター(指標)を設計する


状況を測定するための指標が重要であることも述べられてますが、ペアで測定すべきという視点は新たな気づきでした。

例:在庫量を測定する際には品不足の発生率も併せてみる必要がある

在庫量が0の状態が必ずしも望ましいわけではありません。在庫がないことにより営業部門が販売するチャンスを失う品不足問題が発生してしまうと、業績(OUTPUT)にはマイナスの影響が出ます。

OUTPUTを最大化するために何を測定すべきか?量と質ともにみるためには、ペアで測定することが効果的ということです。

実際に営業現場でも量と質をペアで測定しなければならないシーンは多々あります。

例えば案件化数を増やすためには、アポイント件数と案件化率をペアで測定し、どちらに課題があるかを特定しなければなりません。

他にもグサッとくるフレーズがありますので、一部を列挙致します。

・理想の状態は、マネージャーが何もしなくても機能する組織を作ること
・マネージャーの重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すこと
・社内レポート作成は、自己規律訓練の手段である
・生産性を上げる方法は、もっと速くやるか仕事の性質を変える
・やらない理由として、できない場合は訓練が必要。やる気がない場合はモチベートが必要

管理職の役割は、OUTPUTを最大化することだと頭ではわかっていても、目先の対処に追われがちです…。

全体を俯瞰したいという場合に有効な切り口を本著は示していますので、参考になれば幸いです。

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