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スペック営業から脱却するには?

営業職としてキャリアをスタートし7年目の頃、ぼちぼち結果は出せるようになりましたが、当時の私は完全なるスペック営業でした。

自社サービス(業務向けシステム)のデモンストレーションをひたすら行い、特徴をPRし顧客の反応を見る。大体の商談はコンペ商談でしたが、最終的には競合他社の価格を下回る条件で価格を提示し、何とか受注に至るという営業スタイルでした。

結果、受注はとれるようになりましたが、定価の半値受注が通常パターンとなり受注総額はそこまで伸びず…。また、競合他社に価格を下回られると敗退してしまうため、失注率も高い状態…。

そんな私の営業スタイルを変える転機となったのが、「SPIN」という考え方(本)を知ったこと。

SPINとは、ヒアリング話法で下記流れに沿って質問を展開していく手法。
S:Situation (状況質問)
P:Problem(問題質問)
I:Implication (示唆質問)
N:Need-payoff (解決質問)

特に衝撃だったのが「示唆質問」という切り口。スペック営業といっても、多少のヒアリングは行ってきたつもりでしたが、状況質問→問題質問→解決質問というヒアリングフローであり、○○の問題は××というシステムの機能で解決できます!とPRしていました。

示唆質問とは、その問題が解決した場合にどういった価値を顧客にもたらすことができるかを顕在化させる質問です(○○といったチャンスロスが抑制できれば売上が向上する、××作業がなくなれば業務時間が△△削減される等)

今までは、問題は解決できれば顧客が喜ぶと勘違いしてましたが、現場の問題=経営者が投資してまで解決したい問題ではないことに、示唆質問を通じて気づけるようになりました。

示唆質問を通じて具体化すべきことは、Before/Afterを明確にするだけでなく、会社にとっての投資価値を明確にすること。特に重要なのは売上向上へのインパクト。業務効率化ももちろん大事ですが、業務が減ります!だけでは、現場メンバーが楽をしたいだけ?と経営層に思われる可能性があるため。業務削減の効果として売上が向上するまでのストーリー作りが必要。

示唆質問をするうえで、質問のレパートリーを取り揃えておくこともポイント。顧客のビジネスフローを整理した後示唆質問を投げかけるパターン、他社の事例を持ち出しながら同様の問題が起こっていないかを投げかけるパターン。様々なパターンを手元に有しておくことで、質問に詰まらなくなるためです(質問をしはじめても、顧客の反応が芳しくないこともしばしばあるため…)。

また質問する上で、プレゼンテーションをしながら質問する方法もありますが、顧客が抱える課題の全体像が整理しづらいです(プレゼンを通じて特徴を伝えることに目がいくことも要因)。よって、商談回数が増えますが、ヒアリングの時間をあえて設けることで、顧客の全体像が整理でき、より顧客に価値ある提案ができることに気づきました。

私自身、ヒアリングスタイルを確立しスペック営業から脱却できたことで、成約率は倍増し、かつ定価で受注がとれる営業へと変わることができました。

ヒアリングをするのが面倒…、ヒアリングをしたいが何を聞けばよいかわからないため避けがち…、といった方もいらっしゃるかと思います。「ヒアリング」はスペック営業から脱却するための有効な手段だと私自身痛感しましたので、スペック営業でもしお困りの方がいらっしゃれば、参考になれば幸いです。

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