「我々は○○をやります」と言えるチーム
こんにちは。事業計画研究所です。
本日も「入門 起業の科学」田所雅之(日経BP社)の所感をレポートしていきます。
前回は、「ソリューションの検証」というテーマで話を進めていきました。
今回は、「プロトタイプの言語化」というテーマで話をしていきます。
プロトタイプの「要点」
前回の記事では、機能の見極めについて語り、本当にユーザーが必要としている機能を絞り込むことを考えました。
今回は絞り込んだ機能をまとめて整理するフェーズに入っていきたいと思います。
これらを行うにあたって最も大切なことは、チーム全体で行うことです。
「誰のために、何を、なぜやるのか、ということを再確認し、チーム全体の意識を統一する」
というスタートアップにとって重要なことを改めて行うことができる、絶好の機会であるからです。
エレベーターピッチ
それでは、必要と考えられる機能をどのように整理していけばよいでしょうか?
その手段の1つにかの有名な「エレベーターピッチ」があります。
「プロトタイプの要点を、30秒程度で語れるように整理しておくこと」
と言い換えることができますが、サム・アルトマン氏は次のように言っています。
「(投資家の立場として)必ず聞くのは何を作っているのかということ。質問に対する答えが簡潔であればあるほど、評価は高い。」
ビジネスモデルが創業者の頭の中で、きれいに整理されているかどうかによって評価が大きく変わるということですね。
上の図のような形で、簡潔かつ端的に述べられるような形を目指しましょう。
「あったらいいな」といった機能ではなく、「必要」と判断した機能の中で、特徴的なもの・革新的なものについて言及することがポイントだと考えられます。
なお、最後の1文は、相手に製品やサービスを直感的に理解してもらうためのアナロジー(例え話)です。
プレスリリース
プロトタイプの機能を整理しチームメンバーと共有するということは、言語化を行うことであり、それは文章でもいいわけです。
プレスリリースは「誰のどんな問題をどう解決するか・なぜそのサービスに価値があるのか」という情報を端的にかつ説得力のある文章で表現する必要があります。
その作業を最初にしておくと、創業者は自分の思考を整理することができ、チームメンバーとの共有もうまくいくことで、常に本質を見失わないようにすることができるのです。
実際にアマゾンでは、新しいサービスの企画を立ち上げる際には、そのサービスが完成したことを想定して、担当のマネージャーがプレスリリースを作成することから始めるそうです。
まとめ
今回は「プロトタイプの言語化」というテーマで話をしてきました。
検証段階のプロトタイプですが、形にする以上はお金も時間もたっぷりかけることになります。
とりあえずプロトタイプを作るのではなく、機能を絞りこみ、
「○○という、この機能が受け入れられるのかを検証する!」
というようなプロトタイプの作成を目指しましょう。
そして、その目標をチーム、あるいは出資者など、多くの人に分かりやすく説明できるまで整理しておくことが必要です。
スタートアップに限らず、新しいことを始めるときには一度エレベーターピッチをやってみてはいかがでしょうか?
次回は「プロダクトインタビュー」について話していきます。
次回作をお待ちください!