【入門編4】現状を振り返る分析を身に付けたい方へ。企業の健康状態を把握する経営分析について
こんにちは、事業計画研究所です。
3週+αにわたって連載中の財務3表と分析についてですが、いよいよ今回から分析手法について記載していきます。
2-3週で全て書き終えようと思いますので、ぜひお付き合いください。
企業の健康状態を数値として算出することができるため、とても有用な分析となっています。
今回も初学者向けに語句解説などをメインに行っていきます。
それでは、本題に移ります!
そもそも経営分析とは?
財務諸表等の数字を用いて、企業の収益性等の状況を把握するための分析です。
マーケティングにおける分析手法を数多く紹介してきました。
それらの手法が「これからを見据える分析」であれば、経営分析は「振り返って考え直す分析」です。
それぞれの分析によって大きく三つに分けられています。
それぞれ読んで字のごとくですが、ひとつずつ詳しく記載していきたいと思います。
今回は一番大事な収益性分析について記載します。
【収益性分析】
そもそも収益性とは・・・
企業の場合は、投資した資本に対して、どれだけ利益を獲得できたかを見ていきます。(資本利益率)
利益は絶対額ではなく比率として算出するので、規模の大小に左右されずに比較が可能となります。
分析には損益計算書を用いて、利益ごとに算出していきます。
前々回の損益計算書についての説明で使った図を使用していきます。
上記でも述べたように利益ごとに利益率を算出すると言いましたが、
皆様は画像からいくつ利益が見えるでしょうか??
4つ見えていたら正解です。
この4つの利益を使用して各比率を算出していきます。
語句等をお忘れの方は下記も合わせてご覧ください。
それでは、1つずつ説明していきます。
1.売上高総利益率(粗利益率)
商品やサービスそのものの収益性を表す指標です。
後述する2つの売上率もこの総利益率を出発点として計算するので、
【売上高総利益率が低い=営業利益・経常利益も低い】となってしまいます。
また、式をみればわかりますが
売上原価が減ると総利益率は高くなることになります。
少し古い値ですが、平成29年度中小企業実態基本調査によれば、全産業平均は25.58%となっています。
20-60%の変動幅をとっているので、そのあたりを目安にするのが良いかと思います。
原価面で考えれば容易に想像できますが、
サービス業などは高く、建設・製造業などは低い傾向にあります。
2.売上高営業利益率
営業利益とは本業で得た利益総額と捉えることができるので、本業で得た利益性を表しています。
こちらも同上の調査によれば、全産業平均は2.99%となります。
営業利益率は原価に加えて人件費等の販売費用も考慮した利益率になります。
3.売上高経常利益率
本業以外の収益や費用を加味したのがこちらです。
会社の総合的な収益性を判断するのによいと言われています。
こちらも同上の調査では、全産業平均3.5%となっています。
しかし、業界種別によって数値も大きく異なる為、
見比べる際は業界数値と比べた方が良いかもしれません。
4.その他
1.自己資本利益率:ROE
(自己資本当期純利益率、株主資本利益率などの言い方もあり)
分母を自己資本にすることで、投資家・株主が出資した資本でどれだけの利益を獲得したかを示す指標になります。
一般的には10%こえていればよいとされ、20%以上で優良企業といわれています。
株の個人売買においても一つの目安にされています。
ーまとめー
本日は収益性分析を記載いたしました。
次回以降に効率性分析等も順次記載していきますので、良ければご覧ください。
各利益率を見比べる事で、【どこが不健康なのか】・【どこで利益を得ているのか】等、様々なことがわかります。
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