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ユーザーが勝手に盛り上げる⁉NFTゲームの秘密

こんにちは。事業計画研究所です。

本日も「NFTの教科書」天羽健介/増田雅史(朝日新聞出版)の所感をレポートしていきます。

前回は「”NFT×ゲーム”が引き起こすゲーム業界の変革」について話しました。

今回は「NFTゲームのユーザーから見る可能性」というテーマで話していきます。

ユーザーが自分たちで盛り上げる秘密

NFTゲームの大きな特徴の1つは「ゲームに登場するキャラクターやアイテムをユーザー同士が取引できる」ことです。

この特徴によって、さまざまなことがユーザー目線からは見えてきます。

ユーザーがプレイスキルを磨くことで特定のキャラクターの強力な使い方、コンボなどを作ったり、キャラクター同士の強力な組み合わせを考えたり、イベントを主催したりすることで、キャラクターの人気を高めることができます。

人気が高まったキャラクターは当然高値で取引されるようになるため、「ユーザー主導でゲームを盛り上げることで、ユーザーの得につながる」という仕組みができています。

楽しみ方の多様性を生むNFTゲーム

ここからは実際のゲームの仕組みからNFTゲームの特徴をより深く理解していこうと思います。

まず紹介するのは「My Crypto Heroes」(通称:マイクリ)です。

このゲームはDoubleJump.tokyoが提供するNFTゲームRPGです。

イーサリアムベースのブロックチェーンゲームとして、取引高・取引量・DAUで世界1位を記録した、人気NFTゲームの1つです。

ゲームは、歴史上の英雄キャラクターたちでパーティーを組み、ダンジョンに挑んで敵を倒し、手に入れたアイテムでさらにパーティーを強化していくという仕組みになっています。

キャラクターとアイテム、さらには領地がNFTになっており、ユーザー間で自由に取引することができます。

そんな仕組みのマイクリでは、さまざまなプレースタイルが生まれており、「士農工商」と呼ばれています。それぞれのプレイヤーの働きによって、そこには経済活動が生まれ、ゲームが盛り上がっていくように設計されています。

武士:プレイヤー同士のバトルをメインの遊び方とし、バトルのためにより強いキャラクターやアイテムを買い集めるプレイヤー

農民:ダンジョンの攻略をメインの遊び方とし、ダンジョンでゲットしたアイテムをマーケットに販売するプレイヤー

職人:キャラクターのドット絵を編集し、能力を高めたり、美麗なキャラのスキンを生み出し、マーケットで販売するプレイヤー

商人:マーケットからキャラクターやアイテムを購入し、別のプレイヤーに販売するプレイヤー

このように同じゲームの中でも多様なプレイスタイルが存在しており、ここにはNFTゲームならではの特徴によるものが大きく関わっていると考えられます。

NFTゲームならではの景品とイベント

次に紹介するゲームは「CryptoSpells」です。

このゲームはCryptoGames社が提供するトレーディングカードゲームを題材としたNFTゲームです。

2019年に日本で初めて「ブロックチェーンゲーム」という名称で地上波のテレビCMを実施しました。

Crypto Spellsにはレジェンド、ゴールド、シルバー、ブロンズの4種類のカードレアリティが存在し、このうちレジェンドゴールドのカードがNFTとしてゲーム内マーケットで取引できます。

レジェンドの中でもリミテッドレジェンドのカードは発行枚数が9枚と限定されており、ユーザー間では高値で取引されます。

CryptoSpellsでは3か月に1度大規模な大会が開かれており、その優勝賞品は「ゲーム内にオリジナルのカードを実装してもらう権利」です。

さらに、その権利はカード発行権NFTとして渡されるため、自分で使って自分好みのカードを作るもよし、マーケットプレイスに売って利益を得るもよしといった自由さも兼ね備えています。

国内NFTゲームにおける課題

このように今までのゲームとは一線を画すNFTゲームですが、たくさんの課題が未だ残っています。

例えば、日本国内ではNFTアイテムを有償のガチャシステムで商品展開してしまうと、賭博罪に該当してしまう可能性があります。

NFTゲームでは2次流通が当たり前に行われるという特徴があり、2次流通で価値がつくと認められるアイテムを確率によって得られたり得られなかったりすることが問題視されます。

日本ではNFTおよび、独自の暗号資産の発行に関する、法務・税務面が未だ明確になっておらず、一刻も早い整備が必要とされています。

まとめ

いかがでしたか?

今回は「NFTゲームのユーザーから見る可能性」というテーマで話してきました。

ユーザーからの視点では、NFTゲームには今までのゲームとはまったく違う可能性を感じずにはいられません。

しかし、整備面がまったく追いついていない状況では様々な問題が起きたときの対処がとても重要になってきます。

例えば、年齢制限の問題など避けては通れないと思われますが、そういった面での整備はまだまだ先になりそうです。

コンテンツ大国である日本において、NFTゲームが新たに世界を席巻していくことを期待せずにはいられません!

次回は世界におけるNFT×メタバース×ゲームについて話していきます。

次回作をお待ちください!

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