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売り方を考えると、今後の成長戦略と市場構造の把握もできます。STP分析について。

こんにちは、事業計画研究所です。

本日は、STP分析について説明しようと思います。

先日の「マーケティングにおける4Pの記事」でも他の分析手法との関連で説明しましたので、合わせてご覧ください。

前回までのおさらいとして、今までの分析手法を簡単にまとめてみます。

売れるものを探す:「SWOT分析」・「PEST分析」・「5フォース」
誰に売るかを決める:「STP分析」
どのように売るかを決める:「4P分析」

上記のように、今回のSTP分析は「誰に売るか」を分析する手法です。

同じ製品一つとっても、高級志向からコスパ重視まで様々なラインナップを世の中で目にする事かと思います。

モノがあふれている現代では、闇雲に製品を世に送り出しても売れづらい世の中です。


「競合他社をどうやって減らすか、自社のオリジナリティはどこでつければいいのか。」などを分析・可視化することによってマーケティング戦略に役立てようということですね。

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それでは、本題に戻ります。

STP分析は例のごとくそれぞれの用語の頭文字を取った名前ですので、ひとつずつ見ていこうと思います。


ワンポイント!用語解説

【マスマーケティング】
市場ニーズを単一と捉えて、同じ製品を大量投入・販売する手法
【ターゲットマーケティング】
市場を細かく分けて、ある市場層のみを標的にして販売する手法

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S:Segmentation(分類化・区分化・細分化)


大きな市場を特定の分類によって細かく細分化する事をいいます。
例に挙げるなら以下のような事柄です。

・地域、地方
・気候
・人口、人口密度
・年齢、性別
・職業、ライフスタイル
・個々のパーソナリティー(好みや志向)
・行動変数*1

それぞれの切り出し方で無数に何通りも細分化できてしまいます。

ここで重要な点は3点あります。

1.細分化した市場の規模や購買活動を測定・把握できること
2.細分化した市場にマーケティング活動が行える事
3.
中長期的に市場が安定しており利益確保が望めること

先に利益目標や顧客単価を決めておいて、逆算的にあてはまるセグメントをいくつか切り出すと効率的かもしれません。

ワンポイント!用語解説

【ジオグラフィック基準】
地域や気候、人口密度などの地理的な基準
【デモグラフィック基準】
年齢や性別、職業などの人口統計的な基準
【サイコグラフィック基準】※使用するなら調査が必要
ライフスタイルやその人の考え方・志向
【*1行動変数】
志向ではなく行動に焦点を当てるもの、購買頻度や求める機能性や経済性等

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T:targenting(選定)


切り出したセグメント層(顧客集団)から、実際にターゲットとなる顧客層の選定を行います。

選定方法はいくつかあり、説明すると長文なってしまうため、
わかりやすいと思う解説がされているリンクを添付しておきます。

これら以外にもペルソナ(顧客の理想像)を具体的に設定して、その理想像に対してマーケティング活動を行っていく方法もあります。



P:Positioning(他社との差別化、強みの追及)


他社と競争するうえでの位置づけを明確にし、自社製品がいかに優位に立つかを検討することをいいます。

多くは、ポジショニングマップ(業界構図を可視化したようなもの)を作成することが多いかと思います。

基本は2軸で考えて、それぞれに項目を設定してポジショニングを行います。

今回は家電製品を例に挙げて作ってみます。(なんとなくです・・。)

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このように他社製品と被らない場所を狙っていけば競合も少なく差別化が可能である可能性が高いと判断できます。


また、軸の項目は無数に設定できるので複数のマップの作製が可能です。

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少し極端な図ですが、軸を変えると当然マッピングする場所も変わります。

複数の図を比べてみると、製品のセールスポイントを客観的につかむこともできますし、他社製品との差別化も捗るかと思います。

ですので、実際に行う際は様々な切り口からポジショニングマップ作ってみることをおすすめします。

今回で言えば、
高価ではあるが、革新的なデザイン性とそこそこの機能性。他社を圧倒するコストパフォーマンスの高さ」が製品特性になるではないかと思います。

これを踏まえて、セールスする場合としない場合では大きな差がでることは明白です。


では、実際作成する上で大事なことをいくつか列挙します。

【顧客目線で作成する】
事実よりも「顧客のイメージがどの位置か」という方が大事です。
今回の機能性面で言えば、「実機能の数ではなく、顧客が機能の数を感じれて評価につながっているか」が大事だということです。


【ターゲット層のニーズに基づいて】:KBF(購買決定要因)
ターゲット層をどこにするかでもちろんニーズも変化します。
売り出したい製品特性と設定したターゲット層のニーズが反映される図を作成しましょう。

※KBF:購入の決め手になる要因。なぜ買うのかという理由。


【つくって終わりではない】
当たり前ですが、マップを作成した上でマーケティング施策に落とし込むことが重要になります。

マップを作成してもマーケティングできない!今後の企業戦略を見出せない!では本末転倒です。


まとめ

何よりも実際に作ってみるのが一番だと思います。
ポジショニングを置く位置に明確な正解はないですが、可能な限り顧客ニーズを探して作るようにしましょう。

こんな記事も書いてますので、良ければ参考にしてください。









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