世界が注目!”NFT×アート”
こんにちは。事業計画研究所です。
本日も「NFTの教科書」天羽健介/増田雅史(朝日新聞出版)の所感をレポートしていきます。
前回は、「NFT市場を掘り下げる」について話してきました。
今回は、「”NFT×アート”がつくる新たな可能性」というテーマで話をしていきます。
世界初のNFTアート
今回取り上げるNFTアートとは、ブロックチェーン技術を用いた、代替不可能で唯一無二の価値を持つデジタルデータのことを指します。
現在、NFTアートは世界中で話題になっており、そんなNFTアートブームを引き起こしたのは「CryptoPunks」というNFTアートプロジェクトです。
2017年からスタートしたこのプロジェクトは、世界初のNFTアートと言われています。
非常にシンプルな24×24ピクセルアートでゾンビを基調としながら、AIによって生成された1万体のジェネレイティブアート(コンピューターによる機械的かつ無作為に生成されたアート)であることが特徴といえます。
このCryptoPunksのひとつのキャラクターが2021年1月におよそ8000万円で取引されたことで、世界中で話題になりました。
そして、同じ年の8月には、カード会社として有名なVISAがこのNFTを購入したことで、またしても大きなニュースになりました。
CryptoPunksに続き、「Hashmasks」というプロジェクトも世界的に有名なプロジェクトの1つです。
70名以上のクリエイターが8か月もの期間を要して準備した1万6384体のマスクに個性を与えたアートですが、2021年1月28日の販売と同時に即完売したことで一躍有名になりました。
投資家を魅了する「希少性」
CryptoPunksやHashmasksはどうしてこれほどまでに話題になり、市場が動いたのでしょうか?
その理由の1つは、NFTの価値を創出するうえで重要な要素の1つである「希少性」にあります。
2つのプロジェクトは、それぞれアートに特性があり、ジェネレイティブアートであることから、珍しいデザインもありました。
NFTであるからこそ、だれがそのような珍しいアートを所持しているのか、だれがそれを発行したのか、をすべての人が知ることができ、ブロックチェーン技術によって希少性の高さも証明することができています。
このような理由もあり、とにかく希少性が高いNFT作品を購入することに熱中する投資家が多く現れるようになりました。
NFTアートイベント
NFTアートもコンテンツにしたイベントも盛り上がりを見せています。
2021年7月、アジアのNFTアートの祭典「Crypto Art Week Asia」(通称:CAWA)が開催されました。
本イベントでは、アジア5か国6都市でNFTアートのリアルイベントが行われました。
300名以上のクリエイターが参加し、フィジカルアートとNFTアートの融合を目指した東京会場では、現代アーティストなどの幅広いクリエイターが集結しました。
これまでデジタル上にあったNFTが目の前にあることで実感がわき、同時にバーチャルに拡張されることで未来への可能性を感じられる場を作りだしました。
NFTアートの課題
ここまで、NFTアートの盛り上がりについて話してきましたが、市場の盛り上がりと比例して課題が浮き彫りになってきています。
NFTはアートに限らず様々な分野で急速に拡大していますが、その一方でNFTにおける権利や取引における法整備などはまだ行われていません。
特に所有権に関しては、現在の日本の法律ではNFTなどのデジタルデータ、すなわち「無体物」には適用されません。
この議題に関しては、日本だけでなく世界各地で大きな議論になっています。
そんな課題に対して、アート作品にICタグ付きブロックチェーン証明書を発行するサービスを展開しているのが、スタートバーン社です。
作品の情報や来歴を継続的に更新し、保全するブロックチェーン証明書のプロジェクトであり、記録された情報はユーザーがウェブ上やスマホ上で簡単に利用できるようにされています。
まとめ
今回は「”NFT×アート”がつくる新たな可能性」というテーマで話をしてきました。
世界初のNFTアートであっても2017年というように、本当にここ数年でNFTアートは生まれ、成長しています。
しかし、コロナ禍によるデジタル化のさらなる普及も追い風となり、デジタルへ動きは活発になっています。
著名なアーティストのNFTアートへの参入も今後どんどんと進んでいくことが予想されますが、法整備のほうはしばらくいたちごっこが続くと考えます。
最も大事なことはタイムリーな情報をいち早くキャッチし、柔軟に対応していくことでしょうか。
次回は、「”NFT×メタバース”が生み出す未来社会」について話していきます。
次回作をお待ちください!
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