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辞書の生き物 #334 身欠きにしん:みがきにしん

身欠きニシン

言葉の音だけ聞くと「磨き」ニシンかと思いますが、「身欠き」が正しい漢字になります。

冷蔵技術が発達していなかった時代に、獲れたニシンを日持ちさせるために、内臓や頭を取り除いて乾燥させて作られた保存食の干物です。

「身欠き」とは、水で戻した干物の身が骨からはがれやすくなることからついた俗称とされています。

昔、京都では、北海道から運ばれた「身欠きニシン」を甘露煮にして乗せた「ニシンソバ」が作られ、いまでも名物となっています。

ニシンの身欠きは、身がはがれやすいことを表していますが、テトロドトキシンの毒を持つ「河豚:ふぐ」の有毒部分を除去する作業も「身欠き」と呼ばれます。

この作業は専門技術が必要で、資格を持つ料理人しか扱えません。


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