コロナ禍の合同企業説明会に見る課題解決の姿勢とポイントとは?
コロナ禍におけるDXの事例として今回は「合同企業説明会」をどのように開催したかご紹介いたします。
事例紹介
■ 2020年3月:転機は新型コロナウイルスの流行
X大学生協は毎年大学内での合同企業説明会を開催していました。
学生は学内での開催のため参加しやすく、企業はその大学の学生と密にマッチングできる、双方にとって貴重な機会でした。しかし2020年に新型コロナウイルスが流行し始め状況は一変しました。
3月に開催を予定していた合同企業説明会は、新型コロナウイルスのの流行に伴い開催中止となったのです。
■ 2020年6月:2021年度の開催の検討も進まない状況を変えた連絡
毎年6月頃から翌年の合同企業説明会の打ち合わせが始まります。
しかし2020年6月の時点では、新型コロナウイルスによる混乱は続いていたため、X大学生協は、翌年の開催について検討することもできていませんでした。
そんな時、X大学生協が使っている合同企業説明会のシステムを開発したS社から「Web会議サービスを使った開催」の提案がありました。この頃はZoomやTeamsのようなWeb会議システムは一部の人が利用するツールでした。X大学生協も上手く使いこなせるか不安がありました。しかしS社のサポート体制もあり前向きに検討を始めました。
不安や戸惑いがある中でも、X大学生協は開催することを決断しました。
■ ハイブリッド開催に決めた理由
開催はハイブリッド開催、つまり、学生は大学に出向いての参加、企業はフルリモートでの参加という形に決めました。
企業と学生それぞれのメリットを考えたからです。
開催当日は、Web会議サービスを使って無事に開催しました。Web会議サービスは合同説明会システムと連携させることで、スムーズに開催できました。学生は久しぶりに会えた友達と企業ブースを回りながら就職活動をすることができました。企業からもコロナ禍で学生との接点が減っていたためオンラインでも開催してくれてよかったという声もきくことができました。
■ コロナ禍での合同企業説明会の課題と成功のポイント
当時はWeb会議サービスがまだ浸透しておらず、提供するS社にも利用するX大学生協にも不安がありました。
開催形態を考える際に
学生もオンラインと対面にしよう
企業も県内の人は来てもらうこともできるのでは
などアイディアがでました。しかし、慣れないオンライン開催のなかで複雑な運用はかえって失敗のリスクが高まると考えました。
そのため、学生と企業それぞれの参加方法を限定し、はっきりと分ける方法を取ったのです。これによって会場設計がスムーズにでき、運営するスタッフたちも対応しやすくなったのです。また、従来から利用していたシステムの変更箇所もシンプルかつ最小限ですみました。
現在の合同企業説明会は?
2021年以降も毎年合同企業説明会を開催しているX大学生協。
今は、コロナ禍にWeb会議サービスに対応した合同企業説明会システムに調整したものを継続して利用。企業の参加は会場かリモートかを選べる方式にして開催しています。
まとめ
今回はコロナ禍の事例でしたが先の見通しが立たない状況で最適を考え実行することは、どんな時でも起こり得る場面だと思います。
そんな時に大切な考え方が、最小限かつシンプルな方法で実行してみることだとビジネスデザイン研究所は考えます。小さなチャレンジならリスクも小さく済み、改善点も気づくことができます。成功したら次のステップ、やりたかったことを追加していけばいいのです。
ビジネスデザイン研究所は、企業の成長と継続のためのヒントとなる情報を発信しています。
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