本とは? 編集とは? そして著者とは? 〜深沢真太郎の読書〜
足立区千住にある株式会社センジュ出版をご存知でしょうか。
6畳2間。
下町の小さな出版社。
先日、ある集いでこの会社の代表取締役の方とお会いした。
私と同い年、同じ出身大学の女性。
たまたまだ。
本のお仕事をしているそうだ。
私も少ないが著作を世に送り出す専門家である。
なんとなく、本というものについて対話をすることに。
ほんのわずかの時間だったが、楽しかった。
本の編集をされているそうだ。
10年前は、本の編集者さんとは文章を校正して書籍にする人だと思っていた。
5年前は、本の編集者さんとは本のプロデュースをする人だと思っていた。
今はどうだろう。
そういえば、編集という言葉は「編む」という字を使う。
もしかしたら、編集という仕事は校正だのプロデュースだの薄っぺらい言葉では表現できない、もっとずっと奥の深い仕事(というか行為)ではないだろうか。
たとえば数学にも様々な分野がある。
幾何学。代数学。解析学。ビジネス数学。
それらも「編集」されているからこうして分類ができるし、
現代も学生が体系立てて学ぶことができるのかもしれない。
私のようなビジネス系の研修講師の場合。
内容。
金額。
場所。
参加者。
事前。
休憩時間。
事後。
講師の言葉。
講師の服装。
現場の机の配置。
BGM。
照明。
もしかしたら私も編集の仕事をしているのかもしれない。
研修講師の仕事は、単にその時だけ人前で喋ればいいわけではない。
そんなことを、この代表取締役と話していて思った。
ご著書(この代表取締役の方のご著書)をいただき、拝読した。
彼女の生き方を綴った、温かい物語だ。
出版社とは何か。
編集とは何か。
本づくりとは何か。
本とは何か。
帯にあるように、原点はここにあるような気がした。
そこで、私はこの本をどんな人に読んで欲しいか思案した。
やっぱり、「本を出したい人」かな。
それから、「すでに本を出した人」にもかな。
つまり、「みんなに」かな。
出したいと思っているけれどまだ出せていない人。
これからそういう機会を求めていく人。
すでに著者として活動していて、多くの人に影響を与えている人。
すでに著者として活動していて、天狗になってしまっている人。
ちゃんとわかって欲しいと思う。
本を出すとは、本を作るとは、編集とは、いったいどういうことなのか。
同時に、あなたが著者の資格があるかもはっきりわかるだろう。
本書の最後に、とても興味深いことが綴られていた。
著者の「声」をとても重要視している。
編集者とは人間であり、編集者とはどこを見ている生き物なのか。
端的に表現されているように思えてならない。
なぜ「声」なのか。
それは読んで確かめてみて欲しい。
大事なことを忘れていた。
代表取締役のお名前は、吉満明子さん。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
国内でただひとり、ビジネス数学教育家。ビジネスパーソンのための数学教育を提唱し企業人の育成に貢献。研修。講演。授業。面談。ゼミ。作家。講師育成。。。いろいろやっています。
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