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あるAI(人工知能)の専門家が言っていた。


「本に書いてあった。ニュースでやっていた。そんな内容を鵜呑みにしている方とは、なかなか仕事がうまく進められません。なぜならそういう人は、人工知能をビジネスに導入する上でのリスクにまで目を向けられていないからです」


これを聞いて私は、ああそうだよねと頷いた。

ことさらビジネスにおいて、リスクのない話などありません。

メリットがあれば、必ずデメリットがある。

そういうものです。


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先日、私はある人物からあるサービスを提案(営業?)された。

私はその人物に、1メートルに満たないほどの至近距離でこう尋ねる。


「強いて言えば、デメリットは何ですか?」


相手の方はこう答えた。


「・・・まあそうですね。特にないと思いますよ」


煩わしい質問だったのかな。

そんなこといいから早く申し込め(買え)とでも思っていたのだろうか。

この瞬間、私は「買わない」と決めた。

残念。


では振り返ります。


深沢 「強いて言えば、デメリットは何ですか?」
相手 「・・・まあそうですね。特にないと思いますよ」





嘘をつくなよ(;´Д`A





デメリットのない商品なんてあるのでしょうか。

スーパーフードと呼ばれる最強の食べ物、納豆だってデメリットはある。

ネバネバしていて食べにくい、あるいは臭い。

美人と結婚することにだってデメリットはある。

常に外でチヤホヤされる妻のことを心配しなければならない。


デメリットのないサービスなどない。

「特にない」という答えは、つまり嘘をついていることに他ならない。

いや、あるいは本当にそう思っているのかもしれない。

だとしたら余計に、その人物からサービスなど買えない。

「デメリットのないサービスなどない」ということすらわからない凡人だからだ。



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(ダメよダメダメ)



メリットとデメリットを正直に説明した上で、相手に判断を委ねる。

これが本来の姿勢だろうと思うし、誠実な姿勢ではないのか。

「・・・まあそうですね。特にないと思いますよ」は、極めて不誠実。

だから私は、こういう人からは絶対に物を買わない。

私の話は、これくらいでいいでしょう。


ではビジネスの話。


メリットとデメリットを正直に説明した上で、相手に判断を委ねる。

大事なこと。

さらにそれが数字で説明できていれば最高です。


例えば、

あるシステムを導入することのメリットは、業務効率化されることによる人件費のカット。

ざっと年間1,000万円のカット。

逆にデメリットは様々な業務が自動化されることによる、従業員の意識低下とコミュニケーション頻度の低下。

ざっと30%の低下。

長期的に考えれば、経営的視点においてこれは看過できないかもしれない。

そしてこれはいずれも量的概念で説明できること。

その両者を把握した上で、経営者は意思決定する。

このような局面においてデメリットを語らないということは、

重要な意思決定をする経営者を欺く行為と考えてもおかしくはない。

極めて、不誠実だ。


<映像> ビジネス数学アカデミア 数字で伝える・説得する技術



デメリットを言えない人は誠実とは言えない人間。

数字で語れない人は、曖昧な表現で逃げようとする人間。

だからこの記事をご覧の皆さんは、

どうか「メリット」と「デメリット」の両者を説明できる人であってください。

そしてできれば、それを数字で。


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