不満の裏にある“考えない”という落とし穴
私の勤務するファームでは、若手コンサルタントの成長を支援するため、メンター制度を導入しています。
私のようなベテランが、1on1などを通じて若手のキャリア相談に乗り、彼ら・彼女らが仕事を通じて力を発揮できるようサポートする仕組みです。
先日、担当している若手コンサルタントとの面談の場で、彼がプロジェクトのプロジェクトマネージャー(以下、プロマネ)に対する不満を打ち明けてくれました。
主な訴えは、プロマネとのコミュニケーション不足でした。
そもそも直接のコミュニケーションが少なく、考えていることが分からない
チャットでの指示はあるものの、そのタスクの目的が不明確なために仕事が進めにくい
タスクの目的が分からないために聞きたいが、チャットだと聞きにくい
目的を想定し、指示通りにタスクをこなすが、タスクを完了して報告するとそういう目的ではなかったと言われる
直接のコミュニケーションを増やして欲しいとチャットでお願いしたが、3日間返信がない
このように、彼の不満はどんどん募っているようで、強いストレスを感じている様子が見受けられました。
確かに彼の不満には一理ありますが、気づかされたのは、彼がこの状況を他人任せで解消しようとしている点でした。
話を聞く限り、プロマネが自らの働きやすい環境を整えるべきだという思いが強く、必要な行動を自ら起こす姿勢が弱いように見受けられました。
「メンターを通じて環境改善を依頼したい」との発言もあり、環境の改善を他人に頼る意識が定着していることが伺えました。
最終的にどうしたいのかを尋ねても具体的な答えは返らず、話が徐々に迷走する様子からも、誰かが状況を変えてくれることを期待しているのが不満の原因をさらに悪化させているようでした。
この体験を通じて改めて痛感したのは、能動的に状況を変えようとする姿勢が成長に不可欠だということです。
何をどう変えたいのか、どんな環境が自分にとって最適なのかを明確にし、次に必要な行動を起こすことで、少しずつですが確実に状況は変わっていきます。
小さな変化でも、他人任せにせず、自らの力で状況を変えていく経験は、大きな自信につながり、次のキャリアステップでも力を発揮できるようになります。
とはいえ、最初の一歩が難しいと感じるときは、メンターや周りのサポートを活用するのも有効です。
ただし、それもあくまで自身の解決策を探るための手段に過ぎません。 周囲に頼ることなく、自ら変える意思を持ち、行動に移すことで、自分の成長への第一歩を踏み出すことができるのです。
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