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【社員失格】〜一般社員Sによる『桜花浪漫堂 朗読劇 「人間失格・紅」』観劇レポート


「推しの多い生涯を送ってきました。自分には推しのいない生活というものが、見当つかないのです。」

突然の投稿で申し訳ございません。
"ブシロード公式note新企画"一般社員によるイベントレポートを始動させていただきました!

MyGO!!!!!の感想文コンテストの開催のために作られたブシロード公式noteを有効活用しようという実験企画になります!

コンテンツから出る公式のレポートではなく、ただただイベント参加が楽しかったことを伝えたい、入社前から弊社コンテンツのファンだった一社員のレポートになりますので、基本的には(※個人の感想です)という形で温かい目で見ていただけると幸いです。

今回、参加してきたイベントはこちら!

『桜花浪漫堂 朗読劇「人間失格・紅」』

 名作文学をテーマに和楽器の生演奏とともに届ける朗読劇シリーズの第二弾。今回は太宰治の代表作「人間失格」を女性キャストのみで朗読劇化した公演となっています。
本公演に先立ち、10月には、男性キャストのみのバージョンも上演されました。

ちなみに私の「人間失格」に対する思い出は、小学生の頃に読書感想文を頭良さそうな題材で書きたいがためだけに読み、難しすぎて理解できなかったという何とも苦いものでして…

大人になった今、恥ずかしながら読書をする習慣がない状態で純文学の名作に触れられる機会は大変貴重でありがたいです。

加えて、出演俳優の皆さんの普段のブシロード作品とは違ったの引き出しの演技が見られること間違いなしです!(本音)

それでは、イベントをレポートしていきます!


【会場入り〜移動時間からイベントは始まっている〜】

今回の会場は「飛行船シアター」です!
最寄りは上野駅、地下鉄からお越しの際は1番出口がおすすめです。駅の案内板にもちゃんと書かれていました。もし違和感を感じても案内に従い突き進みましょう。

仕事終わりに来たので、会場最寄りのコンビニでチキンと飲み物を購入し、即摂取しました。
静かな空間でお腹が鳴らないよう、お腹も満たして準備は万端!

そして、到着、飛行船シアターです!

早速入場します!

【開演前から情報をキャッチして】

開演前といえば物販です。今回の物販は台本と複製ランダムチェキでした。

私、イベントに行った時は思い出として必ず1つはグッズを購入しているのですが、今回はランダムチェキを購入しました。ランダム商品はグッズと同時に何が出るかのドキドキ感を味わえるのが魅力の1つ。。

どの役者さんが出たのかは伏せますが非常に可愛らしいチェキをゲットいたしました!

お手洗いを済ませ、シアターに入ります。

※本公演では開演前もシアター内の撮影は禁止となっております。こちらは公式が撮影したものをお借りしました

客席へのドアをくぐると、波の音が流れる中、原稿用紙風のタイトルが映し出されたプロジェクションマッピングと階段ありの上下にステージが作られた豪華な舞台セット、そして何故か10本以上置かれたスタンドマイクが目に入ってきました。ホームページの出演者を確認しても、7人に対しては多めのマイクの数。

この時点で、ただの朗読劇ではないと覚悟しておいた方が良さそうでした。

開演を待つ間は入り口でもらったフライヤーのチェックです。

主演の大庭葉蔵役の河内美里さんとAキャストツネ子役の加藤里保菜さんが出演しているラジオ番組「河内美里 美波わかな 加藤里保菜 の22時からのひそひそ話♡(通称:ひそばな)」の番組イベント告知フライヤーが目立ちまくってました。

ちなみにこちらのラジオ番組、めちゃくちゃ面白いです。

今回の舞台で河内さん、加藤さんにご興味持たれた方は必聴です!
演技している時のかっこいいお二人とのギャップが良すぎて、ぶっ飛びます。
地上波のラジオ大阪に加え、WEBではradiko、OPENRECで配信しておりますので、関西エリア以外の皆様も聞くことが可能です。

▼OPENREC「河内美里 美波わかな 加藤里保菜 の22時からのひそひそ話♡」視聴ページ

【開演・大迫力和楽器生演奏】

 いよいよ開演のお時間です。

幕が開けるとまず登場したのは、和楽器演奏の御三方。演奏が始まると、その迫力に驚くのはもちろんのこと、舞台の世界観が形成されていくのがわかります。作品に描かれた時代の空気感が音に乗って伝わってくる感覚がありました。

セリフがあるシーンでは登場人物の感情に合わせて、美しくも物悲しく演奏されたり、荒々しく演奏されたり、生演奏だからこその迫力に圧倒されました。

【人間失格の世界観を表現する必見の衣装と動きのある朗読劇】

 作品の舞台となっている大正から昭和への過渡期を表現する演出が素晴らしかったです。特に一般的な朗読劇では演者さんが私服で出演することが多いですが、今回の朗読劇ではではキャラクターと作品の世界観に合わせたレトロでおしゃれな衣装を身に纏われ、より各登場人物のが印象付けられていました。

 朗読劇とだとどうしても「視覚的にイメージがしづらい」ということがあげられると思いますが、衣装によってしっかりと観客も情景をイメージすることができましたし、普段見られないようなテイストの衣装を着た演者の皆様が見られてそれだけで観劇する価値があったかと思います。

 他にも演出として驚いたのが、演者さんがステージ上を動きまくるところです。
もはや朗読劇なのか、動いていました。
 演者の皆さんが登場する際は客席通路を通って一人一人ステージに上がっていきますし、開演前に気になっていた10本以上のマイクも場面場面で移動して使っていました。
 さらに、主演の河内さんに至ってはヘッドセットで基本動きながら朗読していたことが驚きです。

 視覚的にも楽しませるように組まれた演出は、朗読劇でも舞台でもない別の新しいエンターテインメントにも感じました。

【台本を読むのではなく人生を演じる】

 ここまで本作が、他とは違った魅力がたくさんある舞台であることを書いてきましたが、まだ特筆すべき点がまだありました。

 主演の河内さんが、登場してからラストまで、ずっと舞台上にいます。約1時間半一回もはけません。確かに作品のストーリーが主人公・大庭葉蔵の手記という形式をとっているので、葉蔵がずっと登場しつづける展開にならざるを得ないのですが、実際に舞台上で演じている側の難易度はとても高いのではないでしょうか。

 この作品は大庭葉蔵の幼少期からのどうにも上手くいかない悲惨な人生が描かれているので、少年として登場してきた葉蔵が、学生になり、ヒモになり、漫画家になり、アルコール中毒になり、薬物中毒のおじさんになります。これを1度も舞台をはけずに演じ切る河内さん、ハンパないです。ストーリーが進むに連れて、葉蔵が自分の人生に翻弄されて精神をすり減らし歳をとってボロボロになっていく様を全力で演じられ、まさに葉蔵本人がそこにいるように感じました。

 この演出を考えたスタッフの方々も、それに応えた河内さんに改めて大きな拍手を送りたいです。

【Wキャストは足し算でなく掛け算】

 主人公の葉蔵以外の登場人物もとても難しいキャラクターが多いです。葉蔵が各年代で出会う友人や女性たちは、それぞれ複雑なバックボーンを持っていますが、直接的な説明セリフではなく、演者の話し方や表情で登場人物の個性をしっかりと表現していました。

 そして、本作品では主人公の河内さん以外はWキャストになっており、AキャストとBキャストの2種類の公演を楽しむことができました。このシステムは、両公演を見ることでそれぞれの公演に理解が深まり、より楽しめるようになっていたと思います。

 例えば、作中で「純粋無垢な信頼の天才」と表現されているヨシ子を演じた岩田陽葵さんと田上真里奈さんは、どちらもこのキャラクターをしっかり表現できていて魅力的でしたが、岩田さんのヨシ子は「純粋無垢」に重きを置いた可愛らしい表現で、田上さんのヨシ子は「信頼の天才」に重きを置いた芯のある表現に感じました。同じ役でも印象が違い、さらにその演技の違いを受け取った葉蔵役の河内さんのヨシ子を見る目すらも違ってきていて、よりキャラクターの理解が深まりました。

他の登場人物もそれぞれ面白い違いがあって書いていきたいのですが、大長編になりそうですので、興味ある方はX内で「#人間失格・紅」を検索していただければファンの皆様が考察や推しポイントを書いてくれているのでそちらに託します。

 演者さんが変わることによって違う印象、違う表現が生まれる面白さを体験できたことで、それぞれの役者さんが大切にしている部分を感じることもできました。単にキャストが異なるバージョン違いの公演ではなく、楽しさが掛け合わさり倍増していくシステムだったと思います。

【終演・アフタートーク】

 怒涛の展開で終演を迎えた会場は、「すごいものを見た」というハッピーで楽しいストーリーの舞台とはまた違った高揚感に包まれ、カーテンコールが終わっても拍手が鳴り止みませんでした。

 そしてアフタートーク、「ありがとうございます!」と作中で演じた役とは打って変わって明るく登場する演者さんたちでしたが「楽しめましたか?…というよりは堪能していただけましたか?」と作品に合わせたご挨拶をしてくれました。

 先ほどまで重厚な演技をしていた方々とは同一人物とは思えない和やかさで行われ、このギャップに完全にやられました。役者の方々は皆さん凄すぎます。演技はもちろんですが、役ではなく役者さん御本人としてお話されている姿ももっと見たくなりました。

【終わりに】
 今回の作品は生演奏をバックに生のお芝居を見られ、名作の純文学の世界をわかりやすく楽しむ事もできる、非常に価値ある作品になっていたかと思います。エンタメとして新たな表現に挑戦していたり、それぞれの役者さんの新たな一面を見られたりと様々な面で楽しめるので必見です!

今、少しでも興味が湧いたそこのあなた!実はアーカイブ配信がございます!
この素晴らしい作品、配信が見られるのは12月24日までです!ぜひご覧ください!

▼『桜花浪漫堂 朗読劇 「人間失格・紅」配信チケット


P.S.
文章が一般オタクすぎて

社員失格

でした。申し訳ございません。

どこからか怒られない限りは、参加した弊社のイベントでまたこういうレポートを書けたらいいなと思っています。

シェアやいいねを押していただけると非常に喜びます。

『桜花浪漫堂 朗読劇 「人間失格・紅」』
■出演者
河内美里、岩田陽葵/田上 真里奈(W キャスト) 、倉知玲鳳/小原莉子(W キャスト) 、加藤里保菜/志崎樺音(W キャスト)、仲村和泉(SKE48)/石飛恵里花(W キャスト) 、熊崎晴香(SKE48)/佐當 友莉亜(W キャスト)、新田恵海 /楠田亜衣奈(W キャスト)

声の出演:難波圭一

津軽三味線:川嶋志乃舞
尺八:辻本好美
key.:広田圭美