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旦那のアゴン(祖父)が教えてくれたこと

先週、旦那のアゴン(台湾語でおじいちゃんの意味)が亡くなった。

アゴンは2年前から脳死状態で、ベッドから動けずここ1年くらいはコロナの関係で、家族もアゴンの顔すら見られなかった。

結局、家族がアゴンに会えたのは、アゴンが亡くなって病院から出てきてからだった。

旦那にとって、アゴンはお父さんみたいな存在だった。

旦那が小さいころ、実の父と母は海外で仕事をしていたため、旦那はアゴンとアマ(台湾語でおばあちゃんの意味)に預けられて子供時代を過ごした。

私はアゴンと1度しか会ったことがなくて、話もあんまりしたことがなかったし、アゴンがどんな人かもあまり知らなかったので、「アゴンが亡くなった」と伝えられてもピンとこなかった。

台湾の習慣では、日本のようにすぐに葬式は行わない。

数日間、お経を読む日にちを設けてからお葬式をする。

そして、私も行かないわけにもいかないので、アゴンにお経を読む会に出かけて行った。

小さな会議室のような部屋にアゴンの遺影、それから造花と、フルーツが少し飾られお坊さんが3人と家族が集まっていた。

呪文のようなお経が部屋に鳴り響く中、

肌色っぽい額縁にオレンジっぽいリボンがかけられた遺影を見て、なぜかアゴンが亡くなったことを実感した。

そして、ああ、人って本当に死ぬんだなと感じた。

そしたら、急に涙が込み上げてきた。

誰だっていつかは死ぬ。そして、いつかは決められない

これは誰も変えられないし、もはや言わずもがな。なんだけど、でも日々を過ごしているうちにどうしても薄れてしまう「すべての生き物はいつか死ぬこと」。

そして、死ぬ時期は誰にもわからない。

もしかしたら、明日心臓発作で急に倒れるかもしれないし、交通事故に巻き込まれるかもしれない。

相手が亡くなってしまうかもしれないし、もしかしたら自分かもしれない。

こんな事をアゴンの遺影を見て、改めて感じた。

だから、自分が大好きと思える人には大好き、と伝えよう。

どーでもいいことで不機嫌になるんじゃなくて、できるだけごきげんの時間を増やそう。

未来に対して不安になりすぎないようにしよう、どうせいつまで生きられるかわからないんだし。

アゴンは何も言わずに、こういった言葉をわたしに残してくれた。

アゴンありがとう。

わたしが天国に行ったら、アゴンの伝説話を直接教えてね。

もう苦しくもないし、痛くもないよ。
天国で安らかに。



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