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ひきこもりたちの恋愛頭脳戦

ひきポスの編集会議が終わったあと、2次会に参加した。

ぐっちーさん(女性)が話したいらしいよということで席替えをした。たまにぐっちーさんと会うんだけどあまり話したことがない。まず、近況を話した。

「すごい。古着の販売をやっているんだ。がんばっているじゃない。雨の日に出勤しないで済むとか体調悪いときは家でゆっくり休めるからやっぱり自営業はいいよね」とぐっちーさん。彼女はある業界の自営業をしている。

「でも、もうダメだと思います。ロマンスがない。人生に潤いがないんです。だから、死ぬしかないんです」と僕はうなだれた。
「いや、ちょっと待って。その発想がわからない」グッチーさんは困惑した。
「恋が成就しないです。フラれてばかりです。フラガールならぬフラボーイですよ」
「あれはそういう映画じゃないから」

僕はいままでの恋にやぶれた話をぐっちーさんに話した。
「つぎにいこう。いつまでも引きずってないで狩りに出掛けるのよ」とグッチーさん。意外と肉食なんですね。
グッチーさんは、続けてこう言った。「学さんの話を聞いていると、あまりに急ぎすぎている。すぐ告白するからダメなのよ。相手に好きと言わせるの。そこは戦略的にやらないといけないわよ」

「だって明日死ぬかもしれないじゃないですか。だから、急がないと」と僕。
「いや、そんなすぐに死なないから。もっと外堀を埋めていくの。恋愛には戦略性が大事よ」とグッチーさん。
「いや、それは美しくないです。もっと映画的じゃないと。偶然と偶然が重なり合ったとき、ラブストーリーが始まる。恋の重力に引かれるように」
「ないない。それは映画だけのお話。現実はもっと厳しいの」

他の女性には、「学さんは、モテると思いますよ。ただ、距離の取り方がうまくないというか。距離がうまく取れる人は、多少キモい人でもロマンスしています。だから、そこをなんとかすれば。あと、学さんはテラスハウスに出れば視聴者が応援したくなるタイプですよ」と言われた。

距離の取り方か。それはつまり、油断するとザンギエフの吸い込みを食らうとか、待ちガイルでソニックブームに苛ついて飛び込んだらサマーソルトキックで撃墜されるとかそういうことだろうか。恋の撃墜王だと言いたいのだろうか。

ちはやふるで「あなたがいれば、わたしはがんばれる」というセリフがあった。僕にはその“あなた”がいない。


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