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電子署名による契約締結のススメ

 こんにちは。angelo代表です。今年の春は桜が開花し始めたと思ったら早速の菜種梅雨です。さて今回は電子署名での契約締結についてご紹介したいと思います。「印章」はメソポタミア文明の頃から利用されてきたのでとても長い歴史を持っています。「金印(漢委奴国王)」は日本の国宝でも最も有名なもののうちのひとつではないでしょうか。(実物は意外に小さくて驚きました。)契約書にずっしりと契印を押す行為は緊張感を伴うものです。しかしここ数年で契約書にまつわる事務作業はすっかり変貌しました。

 クラウド型電子契約サービスは、クラウド上で文書に電子署名をすることで当事者同士が合意して、これに契印による契約書と同じ効力を持たせることができるというものです。かつてはDocuSignの独壇場でしたが、近年はクラウドサインBtoBプラットフォーム契約書freeeサインなど、たくさんの事業者さんがサービスを提供するようになり選択肢が増えました。
angeloは平素クラウドサインを利用していますが、相手先からの指定に応じて他のサービスを利用したこともあります。どれも機能としてはそれほど変わりないようです。(ただあまりレアなサービスよりは広く利用されているものを使うことで、急にサービスが終了するリスクを避けられますし、相手先も仕組みに慣れていて説明が無用になる可能性も高くなりますね。)

 契約書がデータだけでは心配、本当に大丈夫なの?と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。
弁護士による監修のもと、締結完了時に電子署名にて当事者同士がその文書に合意したものであることを証明する文書(合意締結証明書)が生成されるタイプが多いですが、これと署名済み文書をペアでデータ保管することで契印のある紙の文書と同じ効力をもつものとして認められています。(まだその事例は経験がないのですが裁判でもちゃんと使用できるそうです。)
その上で、電子契約をお勧めしたいポイントは以下の通りです。

  1. スピーディー

  2. 管理しやすい

  3. 省コスト

まずは「1. スピーディー」
なんといっても契約内容が決まってから契約締結までがスピーディーです。準備した書式をクラウド上に展開することで完結するため、正本を作成しなくてもよい、郵送しなくてもよい、先方で押印してもらわなくてよい、そして返送してもらわなくてもよいからです。
ステータスは管理画面上で見えますので、「送った書式がなかなか戻ってこないうちにすっかり忘れてたけど、あの契約書って今どこ?」なんてこともないわけです。

次に「2. 管理しやすい」
紙の契約書の場合、物理のファイルシステムとは別に、リストなどを作成して有効期限を管理するなどしなければ、契約が切れたままでトラブルの元になるリスクがあります。クラウド型電子契約サービスの場合は期限の前にアラートしてもらえるので「うっかり期限切れ」防止に役立ちます。
また紙の契約書と違って保管のためのスペースも取りません。データはクラウド上にも保管されますが、万が一に備えてサービスが提供するクラウドとは別のところでもダウンロードしたデータを保管しておくことをお勧めします。

最後に「省コスト」
大抵は「基本使用料+従量課金」という形態でのサービス提供で、件数に応じて費用は変わります。一見このサービス利用料が高額に感じられるかもしれませんが、契約の件数が多いところほどメリットも大きくなるかもしれません。「1. スピーディー」でセーブできた時間こそ、最も貴重なコスト削減ですが、それ以外にも、正本作成のためのコスト、郵送のためのコスト、保管のためのコストが削減されます。
そして何よりも驚きなのが印紙税です。契約書には、その文書の種類と契約金額に応じて印紙貼付による納税が義務付けられています。しかし、電子署名による契約締結ではこの印紙貼付が無用なのです(2023年現在)。場合によってはたった一件分の印紙税をセーブするだけで年間のサービス利用料を十分ペイする可能性もあるのです。

 いかがでしたでしょうか?どの程度のコスト削減になるのかは契約の件数や内容次第というところもあるので試算は必要ですが、まだ導入していない、検討中という方がいらっしゃってこのお話がお役に立てばうれしいです。

#バックオフィス