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甲府土産に出来立て「かすてら紅梅」はいかが? 竹川菓子店@山梨県甲府市

昔ながらの素朴な味ーーー小さい頃に食べたことがないにも関わらず、なぜか懐かしさを感じる……

凝った材料は使わずシンプルな素材だけでつくられる「かすてら紅梅」は、そんなお菓子だ。

これは甲府にある竹川菓子店で売られている。一般的にいう「ソフト紅梅」の類で、山梨のお土産やさんにいくとだいたいこのお菓子が置いてあるが、できたてを味わえるのはおそらくここだけ。地元で60年以上愛され続けてきたお店だ。

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中に入ると、おばちゃんがニコニコと迎えてくれた。目立つところにかすてら紅梅が置いてあり、手に取るとまだほのかに温かい。
気のせいかとも思ったが、「出来立てだからまだ温かいのよ〜」とおばちゃんが教えてくれた。

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形は四角・丸・舟・ハート型などだが、同じ型とはいえまったく同じ形のものは一つもない。手作りだからこそのいびつさが、愛らしい。膨らみ方も違う。
そして、おばあちゃんがハート型をつくっている姿を想像すると、なんとも可愛らしくて思わず微笑んでしまう。

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食べてみると、しっとりとした食感ながら、ふわっと感もあるように思える。この手のお菓子は歯にへばりつくことが多いけれど、くっつきそうでくっつかない。
表面に薄く塗ってある砂糖も、しつこい甘さではない。「激ウマ!」というわけではないけれど、なぜだろうか、次々と手がのびるお菓子だ。

試しに開けてから1週間後にもう一度食べてみたら、ちょっと硬くなって生地が歯にくっつくようになった。やはり出来立てのおいしさには敵わないようだ。

午前中に行かないと売り切れてしまうことも多いようなので、確実にGETしたいときは早めに行くのがおすすめ。自分用はもちろんのこと、山梨土産にするのもいいだろう。

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ちなみに、このお菓子が生まれた背景にはこんな話もある。

山梨(甲斐)は江戸時代、幕府の直轄領だったため江戸の文化が流入しやすかった。そして、浅草で発明された「紅梅焼」という堅焼きの小麦煎餅が山梨に伝わり、「ソフト紅梅」という独自の進化をとげたそうな。

江戸から近かったからこそ生まれたものともいえる。昔からこの地で愛されてきた、歴史を感じるお菓子をぜひ食べてみてほしい。今でもできたてを食べられるのは結構貴重なことかもしれない。

(↑こちらに経緯がわかりやすくまとまっている)

(↑かすてら紅梅の特集ページ)

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