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【DXと業務効率化~RPAとBPR~】#3 業務マニュアルの作成

(🔄2021.04.23.更新)
分析屋の高橋です。

「DXと業務効率化~RPAとBPR~」というテーマでの連載3回目となる今回のnoteでは「業務マニュアルの作成」について、RPA導入を見据えた実践方法を交えながらご紹介していこうと思う。

<業務マニュアルとは?>

一般的に業務マニュアルとは、業務効率・業務品質・安全性等の視点を総合的に踏まえて設定した標準手順を記載した手順書である。
業務マニュアルは組織規模問わず存在する。特に飲食業界では、徹底したマニュアル化で社員でもアルバイトスタッフでも同じ品質を保ち、教育コストを抑え、仕組み化に成功している飲食店もある。
一般企業の業務においても業務マニュアルは存在するが、その品質は部門、あるいは担当個人の裁量に任されているかもしれない。ベテラン社員から新人社員に指示するケースも多々あると思う。
RPAも業務マニュアルの品質によって安定稼働するかが決まる。「RPAに業務マニュアルは関係ない」と思うかもしれないが、しっかりした手順(フローや流れ)や「いわゆるこんな時どうする?」といったケースの処理が組み込まれているかが安定稼働させる為のポイントである。
では、人とRPAの違いは何だろうか。

<人とRPAの違い>

担当に一任されていることで新人が入社した時は業務指示を出し、業務マニュアル見てもらいながら作業をしてもらい、「わからないことは聞いて」と指示する事が多いと思う。
人と人の場合は上記の運用でも確認しながら進められるが、RPAの場合で考えると「RPAがわからない状態(設定していないケースに遭遇した場合や設定されている事象と異なるケースが発生した場合)」となり、RPAはエラー発生等により止まってしまう。
人と人の場合でも、都度確認しながら進める業務では、お互いに確認作業時間が取られ、完ぺきな効率化とは言えない状態となる。この時に業務マニュアルを都度アップデートしていくと徐々に確認作業が減り、最終確認だけで良くなり、初めて「効率化・仕組み化した」と言えると思う。
RPAを活用する際には、最初から「細部まで配慮した業務マニュアル」が望ましい。RPAも新人社員と同様(あるいはそれ以上)に教えられた事しかできない。「こういう時はこの作業をしてほしい」等、作業がその時その時で分かれるケースもあると思う。そういったケースもルール化できるものであれば、分岐処理をRPAに設定することで人と同じように「この時はこうする」を実現する事ができるようになる。

また、品質が低いRPAはエラーが出やすいというように顕著に表れるのが特徴である。RPAの品質とは、いかにエラー発生を少なくした設計・開発をしているかによる。品質が低ければ低いほど、その都度、運用保守というエラーの調査や改修に時間を使って割いてしまう。私が関わったプロジェクトでも当初のRPAはエラー発生頻度も低くはなく、複数稼働しているRPAのいずれかでエラー終了し、毎回と言っていいほど、保守対応が発生していた。
そこで私は今動いているRPAのフローを確認し、業務担当者からもヒアリングを行い、RPAの設計に問題がないかを確認した。クライアントの要望にも叶える形でRPAの設計を見直し、新しいRPAを開発した。
このように改善をさせたことで今ではエラーがほとんど起こらなくなり、クライアントも保守担当の負担も減ったというケースも少なくない。それくらい業務のマニュアルの作成とそれを元にしたRPAの設計は大事にしてほしい。

<業務マニュアル作成のポイント>

・5W1Hを意識して作成する
・仕事の全体像がわかるように作成する
・業務の判断基準を明確にする
・特に目を通してもらいたいところは強調する
・パワーポイントで作成する(おすすめ)

5W1Hはマニュアルも相手に伝える方法の一つの為、作成する際は「いつ、どこで、何を、誰に、なぜ、どのように」を意識する事でわかりやすいマニュアルが作成できる。
全体の仕事の流れを把握して業務をどのように進めていくかも伝えていく事も重要。この仕事は何の為の仕事なのか、どんな役割をしているのかがわかると判断もしやすく仕事の精度も上がる。
業務のマニュアルは基本だけでなく、様々なケースに対応できるよう応用が利くようにする。特にどう判断すれば良いかは慣れないうちに発生し、属人化もしやすい。過去の事例も入れる事で判断が必要なケースもマニュアル内で判断ができるようになる。
パワーポイントで作成することをおすすめしているのは、画面キャプチャを使ったり(※次で説明)、配布が必要な時もPDF化など色々できるためである。

<業務マニュアルの作成方法>

では、実際にどうやって業務マニュアルを作成していけばいいのか。
最初にどんな内容をそれぞれのカテゴリに入れる内容を精査し、どこまでマニュアル化するか考慮して構成を考える。
マニュアルの構成が決まったら先ほどのポイントも意識しながら仮マニュアルを作成する。そして作成したマニュアルに沿って仕事を進め、不足している点や手順が前後している点などを修正していく。他の担当者にも一読してもらうことも精度を上げる一つの施策となる。この時、この仕事を初めてやる担当者や新入社員にマニュアル通りに仕事をしてもらい、確認を行う事で経験者では気付きにくいところにもカバーすることができる。
システムの操作やフォルダ構成等の実際の画面があると便利な工程は画面キャプチャを取り、それをマニュアルに組み込むことでビジュアル的にもわかりやすいマニュアルを作成することができる。

<さいごに>

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回までのnoteの内容はRPA導入前提だけに関わらずに業務の改善・可視化の為に活用できる内容になっています。まずは業務の可視化とマニュアルを整備していくだけでも効率化に繋がっていくと思います。業務の可視化ができてくると、ITシステムやツールの導入領域や効果が見えやすくなります。RPA導入の際にもこれらの業務情報がまとまっていた方がスムーズに進めることができます。

また、業務効率化に関するお悩みご相談ください!
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