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本日の「読了」と「読みかけ」
どうもこの媒体と“一日1note”はそぐわないように思えてきたので、7日続けたら、「なんか創ったとき」に変更する。
というわけで夏休みもちかいので今日は読書感想文を──
ウェンディ・ミッチェル『今日のわたしは、だれ?』(宇丹貴代実訳 筑摩書房 2020)
「認知症に盗まれたものは、感情だ。だから、わたしは怒りを抱くことができない。抱くのは悲しみだけだ。」
このような引用をすると悲劇的破滅的な内容を想像するだろうが、その期待は裏切られる。
どのような病気でも症状は一様ではない。本書はアルツハイマーという病気の説明ではなく、著者が局面局面でどのようにブレイクスルーするか、できるのか否かを描いている。
若年性であるがゆえに、ほかに病気がなければ「予後」が長い。第一線で働いていることも多い。ゆえに喪失するものも高齢者の認知症とは比較できない。
著者のすごいところは、診断後、家族も職場同僚も自分を教材に教育・啓蒙し、アルツハイマーである自分が生きていく環境を作り出してい点だ。
アルツハイマーと診断されてから、家を売り引っ越し、iPhoneを仲間に講演活動に飛び回り、本書の最後では(緊急時の説明を受けても記憶できないのに、しらばっくれて?)グライダー飛行に挑戦している。
もちろん、基本的には、引き算の毎日だろう。それでも、できることをできないことにしてしまわない(自分で諦めない)で工夫する。
流行りの言葉でいえば「withアルツハイマー認知症」の生活指針。もしかしたら明日診断されるかもしれない私やすべての人にとって勇気の書となる。
“一日1note”七日目[2020.07.19.]
次に読みすすめるのは──
白井聡『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社 2020)
大学時代に真剣に講義を受けとけばよかったと後悔しても始まらない。60の手習いだ。
この本、真っ赤なカバーを取り去ると真っ黒。背にしかタイトルが入っていない。
「赤」が資本論の系譜色とはわかるが、一皮むいたら黒。黒は資本主義? いや、無政府主義色だよなぁ……。読了すれば、装丁の意図もわかるだろうか。
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