未来香(asuka)

2019年に渡米、大学院を卒業後、メイン州のリベラルアーツカレッジでOPT。 現在はロ…

未来香(asuka)

2019年に渡米、大学院を卒業後、メイン州のリベラルアーツカレッジでOPT。 現在はロサンゼルスにある学校で教鞭をとっています。アメリカの大学生の思考について、文学について、旅について綴ります。

最近の記事

自分を「先生」と呼ぶのは間違っているか?

最近抱えている、小さなモヤモヤ。 本当によく見かける日本語教師たちのつぶやきなんだけど、 「自分のことを先生と呼ぶ/呼ばせる教師に違和感」 「目上の人の例文として教師を出す人は嫌だ」などなど。 率直になぜダメなのかが分からない。 こういった類の発言が、実際のところ"教育"と あまり関係ない気がするのは、彼らが美徳の話をしているからだろうか。 私は教師と学生が対等であることは当然のことだと思っている。 ので、そもそもなぜ「自分を"先生"と呼ばせる」=「自分の方が上」 とい

    • 「稼げるけど好きじゃない仕事」と、「稼げないけど好きな仕事」 どっちを取るべきですか?っていう質問をネットで見かけて、 「…あれ?私なんで、大して稼げないのに好きじゃない仕事やってんだろう?」と思った。結局週休3日でリモート、14:00には終わるという状況に依存していたいだけ。

      • 母のアルバムと"親孝行"

        祖母が危篤になってから告別式が終わるまでの5日間、母は家に帰らなかった。 その間、私は毎日父親と共に病院から片道1時間半かけて家と往復した。 家の片隅にある小さな棚を開けると、そこにはいつもたくさんの アルバムが詰まっている。一際目を引くのは大きな分厚いアルバムに 大きな字で書かれた「ハネムーン旅行」。 私はそのアルバムを、母親がいない間に何度も見返した。 決して初めてではなかった。 過去に一度、母親と一緒に見返したことがある。 "アイドルになれたのに"と思うようなとびきり

        • 祖母の最期と親孝行

          祖母と会話をした記憶がほとんど残っていない。 酸素マスクをつけられ、弱々しく、けれども一生懸命に呼吸をくり返す祖母の姿を見て、私は後悔した。二度目の後悔だ。祖父のときもそうだった。 2024年、8月10日。祖母は眠るように息を引き取った。 その日は夕方から病院で祖母のそばにいた。 夜の21:00になって、帰ろうかということになったのだけれど、 私が病院近くのホテルをとって、母にそこに泊まるよう進言した。 そうしてチェックインをした直後のことだった。 病院からの電話で、母と

        自分を「先生」と呼ぶのは間違っているか?

        • 「稼げるけど好きじゃない仕事」と、「稼げないけど好きな仕事」 どっちを取るべきですか?っていう質問をネットで見かけて、 「…あれ?私なんで、大して稼げないのに好きじゃない仕事やってんだろう?」と思った。結局週休3日でリモート、14:00には終わるという状況に依存していたいだけ。

        • 母のアルバムと"親孝行"

        • 祖母の最期と親孝行

          人と話すのが辛い。 学生を笑わせて、同僚を笑わせて、 家族を笑わせて、店員さんを笑わせて、 私 は一体何のためにここまで身を削って、 誰かのムードメーカーになろうとしているのだろう。人に会うと、自分がどんどん削られて小さくなっていく。 人が好きなのに、 人と話すのが今はすごく辛い

          人と話すのが辛い。 学生を笑わせて、同僚を笑わせて、 家族を笑わせて、店員さんを笑わせて、 私 は一体何のためにここまで身を削って、 誰かのムードメーカーになろうとしているのだろう。人に会うと、自分がどんどん削られて小さくなっていく。 人が好きなのに、 人と話すのが今はすごく辛い

          『プラスアルファな世界』 今の世界で、カメラを持っていることにアドバンテージはない。 英語が話せることにアドバンテージはない。 パソコンが使えることにアドバンテージはない。 それプラス、何ができるか。 豊富なトッピングを求められるこの社会に、何かアドバンテージがあるのだろうか。

          『プラスアルファな世界』 今の世界で、カメラを持っていることにアドバンテージはない。 英語が話せることにアドバンテージはない。 パソコンが使えることにアドバンテージはない。 それプラス、何ができるか。 豊富なトッピングを求められるこの社会に、何かアドバンテージがあるのだろうか。

          私は学生が来日した時に遊びに行くのは気が引けるタイプ。 薄情かもしれないけど、無給でツアーガイド役を引き受けることに抵抗がある。 やっぱり私は仕事とプライベートを混ぜられない体質らしい。学生と五日間旅行したと言っていた先生がいて、「いやあ、私絶対無理」って思ってしまった。

          私は学生が来日した時に遊びに行くのは気が引けるタイプ。 薄情かもしれないけど、無給でツアーガイド役を引き受けることに抵抗がある。 やっぱり私は仕事とプライベートを混ぜられない体質らしい。学生と五日間旅行したと言っていた先生がいて、「いやあ、私絶対無理」って思ってしまった。

          今はただ虚無感と絶望の中で、薬のような味がするいちごオレを飲んで、静かな雨音にほんの少しだけ救われながらこの文章を刻んでいる。 私には社会をまるごと受け入れることしか赦されていないのに、 社会は私をまるごと愛してはくれない。大人のふりをして、いい人ぶって、まるで違う人間みたいだ。

          今はただ虚無感と絶望の中で、薬のような味がするいちごオレを飲んで、静かな雨音にほんの少しだけ救われながらこの文章を刻んでいる。 私には社会をまるごと受け入れることしか赦されていないのに、 社会は私をまるごと愛してはくれない。大人のふりをして、いい人ぶって、まるで違う人間みたいだ。

          雨だ。 雨の音がする。 雨はいい。 雨音で目覚める朝も、微睡んでいく昼寝も、夜8時に聞く平穏な雨も全部好きだ。 この瞬間だけは、誰からも水を差されない。 仕事を思い出してため息をつくこともない。 そんな瞬間ぐらい、誰にだって与えられるべきだろう。

          雨だ。 雨の音がする。 雨はいい。 雨音で目覚める朝も、微睡んでいく昼寝も、夜8時に聞く平穏な雨も全部好きだ。 この瞬間だけは、誰からも水を差されない。 仕事を思い出してため息をつくこともない。 そんな瞬間ぐらい、誰にだって与えられるべきだろう。

          いやだと思うようになってしまった。 東京から遠く離れた、多様性とは無縁だった小さな故郷に ここ数年で目立つようになった"日本人"に見えない移住者の数々。 自分の故郷が、知らない風景に変わっていくように感じる。 ー"拒絶感"ー この仕事も、本当にそろそろ潮時なのかもしれない。

          いやだと思うようになってしまった。 東京から遠く離れた、多様性とは無縁だった小さな故郷に ここ数年で目立つようになった"日本人"に見えない移住者の数々。 自分の故郷が、知らない風景に変わっていくように感じる。 ー"拒絶感"ー この仕事も、本当にそろそろ潮時なのかもしれない。

          インスタで「日本の移民率は低すぎる」「日本に多様性は存在しない」というコメ欄を見た。私は海外学生たちの留学は大歓迎だけど移民制度は厳しいままでいいと思っている。 多様性を訴える社会には賛同するが、多様性を正当化するあまり混乱に陥るのはアメリカという国ひとつで十分だと思っている。

          インスタで「日本の移民率は低すぎる」「日本に多様性は存在しない」というコメ欄を見た。私は海外学生たちの留学は大歓迎だけど移民制度は厳しいままでいいと思っている。 多様性を訴える社会には賛同するが、多様性を正当化するあまり混乱に陥るのはアメリカという国ひとつで十分だと思っている。

          Responsibility for Nothing(空っぽの責任社会)

          ある天才科学者によって創り出された破滅兵器、原爆。 それが投下された日、アメリカは歓喜に沸いていた。 オッペンハイマーは祝福され、大いに讃えられた。 3時間ある映画の中で、私が覚えているのはたった1分のこのシーンだ。 彼らが何に喜んでいたのかははっきりと描かれていない。 一つはっきりと分かったのは、戦争とは日常であるということだ。 学校で第二次世界大戦を学んだとき、 戦争とは"非常事態"であると思わされていたように思う。 平和の反対語として学ばされていたように思う。 日々の

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          PMS期のやり過ごし方

          PMSが来るタイミングは月によって違う。 月経の前だったり後だったりして、タイミングによって空腹状況が変わる。 私の場合は大抵、集中力の欠如、焦り、緊張、倦怠感が主な症状だ。 集中力の欠如は結構深刻で、何をやっても5分以上続かず 常に動いたりソワソワしたりしている。 そのくせ倦怠感がひどく、何かをする気にもなれず、そんな状況に焦りを覚え、 次の日仕事もなく緊張する理由がないにも関わらず緊張状態が続いたりする。 PMSが酷い時に必ずするようにしていることは、 仕事の日のよう

          PMS期のやり過ごし方

          ホワイトデーということで、名古屋で見かけたかわいいチューリップの花を貰った。 今まで全然興味がなかったのに、部屋に飾るとめちゃくちゃ癒される。 私が疲れすぎているのか。それとも先を生きた先人たちのように、 花鳥風月を愛でたいと思うような年頃になったのか。 いずれにせよ、美しい。

          ホワイトデーということで、名古屋で見かけたかわいいチューリップの花を貰った。 今まで全然興味がなかったのに、部屋に飾るとめちゃくちゃ癒される。 私が疲れすぎているのか。それとも先を生きた先人たちのように、 花鳥風月を愛でたいと思うような年頃になったのか。 いずれにせよ、美しい。

          ところで、平凡な俺よ。

          俺は、普通の人間だと思う。 体格とか、能力とか。 ガキの頃は、自分を"天才に違いない"と思っていた。 いや、中坊くらいまで思ってたかも。 いや、今でもちょいちょい思ってるな。 でも、たぶん身長は180に届かないだろうし、 運動能力に自信はあるけど、バレー部の中で現時点で俺が1番である部分はない。 それが何かを諦める理由にはならないし、言い訳にもならない。 つーかそもそも、普段そんなこと考えない。 でも半年に一回くらい、限りなくメンタルがマイナス寄りになった時に思う。

          ところで、平凡な俺よ。

          2023年12月31日 30歳 振り返り

          What was a lesson you learned this year?-今年得た教訓は- 今の自分にできること以上のことをやろうとしないこと。 これは簡単そうに見えておそらく日本人が一番苦手なことなんだと思う。 期待されると期待以上の結果を出そうとすること。 初心者なのに120%やりきろうとすること。 どれだけの時間を費やして、どれだけ苦しんで向き合ったとしても、 後になってもっといいアイデアや考えがいくらでも湧いてくる。 未経験者がいきなり120%の力を出そうと

          2023年12月31日 30歳 振り返り