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日本の教育について考える

2010年ごろから入試改革を日本は進めてきた。

「正解が1つである問い」を日本型教育では常に受験生に求めてきており,中学受験・高校受験・大学受験においても,基本的には「記憶力の良い学生」が受験業界では有利に立っていた。

ただし,そのような「1つの正解を見つける能力」というものが,社会に出てからは約に立たないのではないかと常々言われ続けてきていた。社会に出てからは,正解がない問いを常に問われ続け,その中で「最適解」を生み出す能力というものが世の中では求め続けられてきたからである。

私が大学時代に読んだ本に藤原和博さん著の「たった一度の人生を変える勉強をしよう」という本がある。

大学時代の暇な時間に読んで,スマートフォンに記録していた要旨メモが残っていたので,以下に記したい

【「たった一度の人生を変える勉強をしよう」要旨メモ】
世の中は変わってしまった。
今までの世の中では、「良い大学に入り大手企業に入り結婚し大きな家に住み素敵な家庭生活をすること」が1つの正解としてあった。
でも、今の世の中では様々な生き方が出来るようになり、1つの「正解」と言える生き方などなくなってしまった。
その世の中に求められるのは1つの「納得解」である。人それぞれが違う納得解を持っており、それを周りの人に納得させる生き方が今では求められており、豊かな人生を送るヒントになっている。
その納得解を生み出すためには、
・情報収集能力
・仮説を立てる能力
・説得させる能力
が必要になる。
その3つの能力を生み出すためには、
・シュミレーション能力
・コミュニケーション能力
・ロジカルシンキング能力
・ロールプレイング能力
・プレゼンテーション能力
が必要になる。
それらを鍛えることで自らの納得解を見つけよう。みんなそれぞれの回答があるから、誰が良いとか悪いとかではない。他人の納得解も納得したいし、自分の納得解も周りに納得させられるように生きよう。それは複眼思考に繋がりより良い人生につながる。
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この本でも再三伝えられているように,「受験勉強」として頑張ってきたことは現代ではあまり約に立つことはなく,「より社会に出てから役に立つような学習を若いうちからしてもらうべきである。」というのが,世の中の共通認識となった。

社会に出てから役に立つ能力としてパッと思いつくものに英語があるが,共通言語である英語をしゃべることができる日本人が圧倒的に少ないことが日本の大きな問題点としてある。海外の機関が各国の英語力を調査しているが,ほとんどの機関が示すのは「日本の英語力は低い」という事実である。

そこで,文部科学省は入試改革の柱として,まずは英語の「話す・書く」能力を中高生に求めるように方針を展開するようになった。

英語力で遅れをとっている事実を前にすると,文部科学省の進める入試改革は一理あるように思える。

ただし,政府は7月末、大学入学共通テストに英語の「話す・書く」能力を測る民間試験を導入するのを正式に断念した。

理由としては,経済的な格差や公正な採点への対応が民間試験は不十分といったものである。

個人的には今回の決断にはとても残念な思いがある。

日本の国際競争力の低下はとても大きな問題なのである。「とりあえず問題提起はしたけど,国民の反対が多かったからやめにしました。」という前例を今回作ってしまったので,いよいよ日本が話す・書く英語力を高めていくには時間がかかるようになってしまうかもしれないことを私は危惧している。


隣国の状況についても確認したところ,中国ではこの度大きな教育改革がトップダウンにて実施され,「義務教育の範囲の教育サービスの利益を大幅に制限する」という方針を出した。

つまり,「学校で今まで教えていたような基礎教育は不要であり,これからは生涯必要となる英語力・プログラミング力などに特化すべきである」と,国が大声をあげて宣言したのである。

この宣言をもとに,中国の学習塾のうち3分の2程度が大きな経営上のダメージを受け,廃業する学習塾なども増える可能性は高い。もちろん,国家権力が中国ほど大きな国でないとなかなか難しい政策(宣言)ではある。

しかし,教育を推進していくためには,これくらいのリーダーシップがないと出来ないのだと改めて気付かされた。

大きな教育制度については,政府の方針などが必要にはなるが,学内レベルの改革はどこの教育機関でも出来るはずである。

「今後の世の中を良くするためにはどのような人財を育てていくべきか。」

このような姿勢を忘れずに,今後も教育業界に貢献していきたい。




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