その名にちなんで

私の人生におけるこの一冊を決めるなら、間違いなくジュンパ・ラヒリの『その名にちなんで』をあげるでしょう。こちら、何も大きな事件は起こりません。超能力を持った主人公も出てこないし、名前を巡る大冒険も起こりません。話の設定は、インド人の夫婦が渡米し、子供を産み、生活を営んでいくだけの話です。もちろん、その中にもいろいろな出来事があり、その一つひとつを丁寧に描いているのですが、今流行りの衝撃のクライマックスも、読者の既成概念を全部塗り替える展開もありません。思い出したんだけど、『東京物語』にちょっと近いかもです。どこにでもいる人のどこにでもある話。その平凡ながらもかけがえのない日々を丁寧に紡げば、それは何?愛?人生?何か面白いところに着地できそうだったけど、オチが見つからなかったわ。でもね、あたいもそういうものを追いかけたいわ。追いかけるものやないかもだけどさ、どこにでもあるもの。でも、どこにないもの。それは何?やっぱり愛かしら?調子悪いからもう寝るわ。バイチャ。

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