母が娘に語る メタ古事記(1)
「母」が、「娘」にわかりやすく?古事記の説明をした「デタラメ古事記」。
娘「あのさぁ、古事記って一体なんなの?」
母「日本の成り立ちを描いた、昔話的なやつ」
娘「読んでもカミサマの名前が変だし、意味わかんないんだけど」
母「出てくる神様を会社と考えるとわかりやすいよ」
娘「ハイ?」
母「そもそも古事記って、当時いた、いろんな地域のいろんな神様を一つにまとめて、『日本民族、統一して頑張るぞー』みたいなスローガンでできたのね。だから会社ができて、合併したり、潰れたり、TOBとかM&Aとか繰り返していった、企業の21世紀興亡史だと考えればいい」
娘「よけい意味不明なんだけど?」
娘「そもそも、最初に何人かの神様が出てきて、すぐに『お隠れになる』じゃん。この件(くだり)いる?すぐいなくなるなら、そもそも登場させなくてよくない?」
母「たとえば『日本と世界の金融20年史』みたいな本を作るとするじゃん」
娘「うん」
母「すると、『昔、リーマンブラザーズとか北海道拓殖銀行という金融機関があったけど、今は潰れてありません』って説明をたぶん入れるよね」
娘「じゃあ、おかくれになった神様って、潰れちゃった会社ってこと?」
母「まあそんな感じ」
娘「なにそれ、わかりやすっ」
娘「じゃあ、イザナギとイザナミも会社なの?」
母「あの二人の結婚は企業の合併だね。土木系か建築系の」
娘「イザナミ(女)が、イザナギ(男)に、『まぁ、いい男ね』って先に声をかけてから、子供を作ったみたいだけど」
母「最初のプロジェクトはイザナミ派主導で行われた」
娘「生まれた子供はヒルコっていうできそこないで、船に流して捨てたって」
母「イザナギ派の幹部がイチャモンつけてきたんだよ。だから失敗に終わった。」
娘「幻のヒルコ・プロジェクトだね」
娘「そんで、二人は天上の神様に、プロジェクトの失敗について相談に行くよね。そうしたら、天上の神様は『女のイザナミが先に声をかけるのが良くない!』って」
母「モノ言う株主だな」
娘「そんで、天上の神様は、『男のイザナギが先に声かけろ』ってアドバイスするよね」
母「イザナギ派が完全に社内の主導権を握ったな」
娘「でも、その後の仕事はかなり順調みたいだよ。島をどんどん開発してる。淡路島と四国を作ったみたい」
母「隠岐の島、九州、最後には大倭豊秋津洲(おおやまととよあきづしま)…つまり本州まで、ガンガン開発していく」
娘「全部をまとめて日本列島って大八島国(おおやしまくに)っていうんだね」
母「大八島HD(ホールディングス)の誕生だ」
娘「ちなみに四国は4つの神様の名前が付いているね。お姉さんの愛媛(エヒメ)、食物担当のイイヨリヒコ、穀物担当オオゲツヒメ、武勇が強いタケヨリワケ」
母「化粧品会社と食品会社二つと軍事産業の会社を作ったのかな」
娘「多角経営だねー」
娘「でも、最後のプロジェクトで、イザナミは死んじゃって黄泉の国に行っちゃうよね、あれはどういうこと?」
母「イザナミ派、反社と関わり持っちゃったな」
娘「反社会的勢力?イザナギはイザナミを連れ戻そうと黄泉の国まで行くけど、イザナミは『私は黄泉の国の世界の食べ物を食べちゃったからもう戻れない』って…」
母「イザナギは、反社と手を切らせようとするけど、イザナミはもう反社とズブズブになっている」
娘「イザナギは黄泉の国から帰ってきて、汚れた体を清める禊(みそぎ)をするよね」
母「イザナギは世間に、『わが社のイザナミ派が反社と関わりましたが、イザナミ派を一掃したので、我々は反社との関わりは一切ありません!新しくスタートします!』と記者会見したんだな」
母「イザナミ派を一掃したイザナギは、大八島HDのカリスマ経営者として君臨する」
娘「なんか、孫正義かゴーンの伝記の読み過ぎじゃない?」
母「いや、そんなに読んでない」
娘「イザナギは、禊の時に、アマテラス、スサノオ、ツクヨミノミコトという3姉弟を生むよね」
母「巨大企業コンソーシアムの誕生だね。でも、これがもう大変」
娘「なんで?」
母「仲が悪い企業同士が共同で事業をはじめるみたいなものだから、大失敗になった。特にアマテラスとスサノオは、米アップルと中国のファーウェイが協業するようなもので」
娘「・・・それはヤバいね」
つづく
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