若月澪子

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こんな時だからロシア文学『アンナ・カレーニナ』を読んでみた(2)トルストイも「いいね」が欲しかった

『アンナ・カレーニナ』の本当の主人公 『アンナ・カレーニナ』を読み終えて二カ月が経った。あれから、ちょっとしたすき間に読み返している。 この小説の主人公は、アンナだけではない。リョーヴィンという真面目男がもう一人の主人公だ。アンナの不倫物語と、リョーヴィンの田舎物語が交互に登場する構成になっている。 リョーヴィンのパートは田舎の話や、農業経営の話、彼が自分の生き方に苦悶する独白などで、多くの読者が「つまらない」と思うらしい。私も初めて読んだ時には正直、リョーヴィンのパー

    • 母が娘に語る メタ古事記(1)

      「母」が、「娘」にわかりやすく?古事記の説明をした「デタラメ古事記」。 娘「あのさぁ、古事記って一体なんなの?」 母「日本の成り立ちを描いた、昔話的なやつ」 娘「読んでもカミサマの名前が変だし、意味わかんないんだけど」 母「出てくる神様を会社と考えるとわかりやすいよ」 娘「ハイ?」 母「そもそも古事記って、当時いた、いろんな地域のいろんな神様を一つにまとめて、『日本民族、統一して頑張るぞー』みたいなスローガンでできたのね。だから会社ができて、合併したり、潰れたり、TOBとか

      • こんな時期だからロシア文学「アンナ・カレーニナ」を読んでみた

        日本のジェンダーギャップが低いワケ 主人公アンナには、美人にありがちな、あざとい野心を感じる。   自分の美しさを自覚していて、どんな男も自分になびかせないと気が済まない動物的な本能が彼女にはみなぎっている。ヴロンスキーのみならず、世間の男どもがアンナの美貌の虜になっていくが、彼女からしたらすべて想定内。   すでに結婚している、真面目男のリョーヴィンさえ、彼女の美しさにメロメロになってしまう。これまで彼女の不倫を非難していた立場だったにも関わらずだ。   興味深い話に耳を傾

      こんな時だからロシア文学『アンナ・カレーニナ』を読んでみた(2)トルストイも「いいね」が欲しかった