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【文活2022年6月号】北木鉄さん長編小説「点々」開始|ゲスト作家は夕空しづくさん|リレー小説「シェアハウス・comma」最終話まで残り三話

こんにちは!文芸誌・文活です。

雨の多い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。窓を伝う水滴でゆがむ紫陽花片目に、優雅な読書とティータイム……なんて、現代人としては叶わぬ願いなのかもしれません。でも物語や言葉には、一瞬で人を別世界に連れ去る魅力がありますよね。

だからこそ雨の日には、物語が恋しくなるような気がします。今月号の文活は、そんな言葉の力や物語の力をそっと教えてくれるような、梅雨にピッタリの作品が揃いました。

・上田聡子さん『先生と私のスケッチ』
・西平麻依さん『シェアハウス・Comma 河野絵梨花 編』
・左頬にほくろさん『栞』第三話

偶然であった人からの教え、誰かからの手紙、娘からのおねだり。全く違う3つのストーリーは、物語と言葉の力を別視点から炙り出します。ひとつひとつを読んだときの感想と、3つを読み終わったときの感覚、ぜひ両方ともご堪能ください。

またゲスト枠では夕空しづくさんにご寄稿いただきました。切実な願いと、どこか一歩引いた考察が絶妙に絡み合った物語が印象的な作家さんですが、今回は章立ても記述法も工夫され、さらに味の出た物語となりました。

・夕空しづくさん『神様の質問箱』

言葉にすることは、自分に認識させること。無責任に誰かに擬態できる世の中で、言葉がどんな変化を人に与えるのか、ご自身で感じてみてください。
文活の物語が、「雨の日のこういう楽しみ方も悪くないなあ」と思っていただけるような存在となれば幸いです。

それでは今月号の文活、お楽しみください!

今月号の作品

投稿スケジュールと作品概要

娘と夫との暮らしは、幸せや、怒りにも、みちていて。

6/13(月)公開
連作小説「栞」 ‐ 3冊目・記憶 - / 左頬にほくろ

図書館でだだをこねる娘。
子育ての相談に生返事する夫。
“私”は毎日それらにうんざりしながらも、家族と暮らす幸せを全身に浴びながら、力強く、生きていきます。

物語とはなにか

6/16(木)公開
先生と私のスケッチ / 上田 聡子

図書館が唯一の居場所だった「私」は自分の心地よい居場所をほかに見つけられずにいました。「私」の生活は小ぢんまりとした洋館でくらす「先生」に出会うことで徐々に動き出していきます。

匿名の神様の悩み

6/20(月)公開
神様の質問箱 / 夕空しづく

彼氏に振られた主人公は「人の気持ちを理解する」ためにSNSで質問箱を始めます。はたして彼との関係は元に戻るのでしょうか。彼女自身の傷は癒えるのでしょうか。届くか分からない誰かに向けた祈りは誰を救うのでしょうか。

シェアハウス・commaシリーズ⑥

雨粒に、このやましさを見破られているような気がして。

6/27(月)公開
シェアハウス・comma 河野 絵梨花 編 / 西平麻依

シェアハウス・commaに住む絵梨花にある日とどいた、一枚の手紙。
そこには、送り出し人不明で、『あなたのそういうところが好きです。』と一筆だけ、書いてありました。
絵梨花は、ラブレターではないかとはしゃぐ管理人(見習い)の彩絢と一緒に、シェアハウス・commaの住人とふれあいながら、手紙の送り手探しをはじめます。
一年前の雨の日についたちいさな嘘を、胸に、抱えながら。

長編『点々』

遠山さんのことを、僕は何も知らない。

6/30(木)公開
長編『点々』第一話 / 北木鉄

足を組み直すとき、「ガスト」と言う。
問題を、解けたか解きたいかで聞いてくる。
僕の先生の「遠山さん」が何歳なのか、何年生なのか、地元はどこなのか、趣味はなんなのか。
僕は、何も知らない。
北木鉄さんによる連載小説『点々』の第一作です。


以上、文活6月号でお送りする5作品の発表でした!

小説5作品のほか、今月は以下作品について、作家によるライナーノーツ(あとがき解説)も特別掲載します。

6/23(木) 神様の質問箱 / 夕空しづく

こちらもぜひ、おたのしみに!

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