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【文活3月号ライナーノーツ】雪柳あうこ「きんいろのゆき」

この記事は、文活マガジンをご購読している方への特典としてご用意したライナーノーツ(作品解説)です。ご購読されていない方にも一部公開しています。ぜひ作品をお読みになってから、当記事をおたのしみくださいませ。

 かつて暮らしていた家の近くに、とても大きく見事なイチョウの木がありました。

 文活3月号に寄稿した「きんいろのゆき」は、季節外れの、とても早くに降る雪を見た時の1シーンがどうしても忘れられないことをきっかけに生まれた作品です。今年はわたしの住む東京でも何度も雪が降り、そのたびに雪の物語を掘り起こしたいという気持ちになり、今作を仕上げました。
 比較的あたたかい地方で育ったわたしにとって、雪はとても珍しく、そして儚いものでした。雪深い地方に住んでおられる方々とはずいぶん違う感傷かもしれませんが、きれいな雪の一面を楽しんでいただけましたら幸いです。

 今作「きんいろのゆき」は、一瞬の、少女たちの物語です。

 テーマであり登場人物でもある「少女たち」は、わたしが創作をするにあたって長らく描いてきた、そしてこれからも描きたいと思っている素材です。(ちなみに、昨年1年間は文活に「少女たちだった二人」の関係性を描いた連作を10作寄稿しています。よかったらこちらも手に取ってみてください)。

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