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文化人類学のイベントに初参加してみた話。

保育園が休園したり、家族が続々と体調を崩したりの影響で、Outputが滞っています。ほんとにもう早くコロナ収まってほしい!

そんななか、ひょんなことからこんなオンラインセミナーの存在を知りまして、昨日参加してみた。まさに、現代の文脈での人類学に関心を持っている自分にとってはぴったりのテーマ。

メッシュワークさんというのは、文化人類学者の比嘉夏子さんと、民間企業で人類学を実践する水上優さんが主宰するユニット。「人類学をインストールするチーム」って、最高ですね。
講演は想像していた内容とは少し違っていたのだけど、結果的に今の自分にとっては非常に有意義な内容だったと思う。

良いきっかけになりそうなので、ほんとはちゃんとまとめたいのだが、忘れないようにラフに感想を箇条書きメモ。

  • メインコンテンツは、文化人類学のバックグラウンドを持って民間企業に飛び込んだ方のここ数年の実践・歩んできた道のりの報告だった。もっとさまざまな話者が掛け合うシンポジウム的なものを想像していたが、結果として企業×人類学のリアリティを感じられて、面白かった。
    ふつうは「人類学の知見を活かしてリサーチやプランニングをしています」的に、プロフィールに一行で書かれてしまうだろうことを、時系列で詳しく記述した感じだった。それこそ民族誌っぽいのかも。

  • 所属企業の宣伝セミナーなのではと感じるほど自社の様子の紹介の尺が長かったが、ひとつの企業が人類学を活用しようとするある種の苦闘の歴史とも読めて、フムフム感はあった。

  • 講演や質問から、この手のナレッジが企業においてなかなか活かしづらい、プロジェクト化しづらい様子が見て取れたけど、自分の経験上もすごくわかる。あくまでゲスト的に、研修的に、スポットで講演してもらうくらいしか現状はないんだよな。

  • ただ、話者のひとりだった比嘉先生がいくつかのプロジェクトを実践しているように、「入り方」「組み先」を工夫すれば、やりようはある気がした。その場で思いついたのは・・・
    ① 経営者に対して1on1でコンサルとして入る。これがいちばん順目だろう。実際比嘉先生はやっているようだ。
    ② 社内のスタープレイヤーをパートナーにして、ユニットとして動く。優秀な人は常に自分の仕事のやり方を更新したがっているから、そこのニーズを突けないか。優秀な人はマネージャーでなくとも予算を自由に使えるから、一部切り出して外部コンサルとして起用できるのでは。
    ③ ブランディングのツールとして使ってもらう。たとえば「文化人類学者監修のイベント」とか、ある層には刺さりそうな。もうあるのかな。人類学ってディテールが命だから、ニッチなところまで作り込んだアウトプットの場合、効きそう。

  • こうやって並べると、どれも前職のような業態での協業を想定してしまうな。それしか知らんからしかたないけど。いずれにせよ、「リサーチ」だけだと価値が生みづらいよね。もう一歩、こういうものを生めます。ってのが欲しいけど、まさにいまはそういうworksの数を増やそうとしているフェーズなのかな。
    やっぱりどうしてもお金のありかというか、余ってるところを見定めて、点で攻めていくような進め方ではないか。

  • こういう組み方を想定すると、なんとなくだけど、人類学者が「ビジネスパーソン」っぽくなっちゃうとダメだなって思った。ビジネスパーソン側としては「わけわかんない知見を変な角度から与えてくれる人」みたいなイメージで期待しているんだと思う。そんなときに、シュッとしてたらなんかコレジャナイ感が出る気が。

  • 内容とは無関係だが、文化人類学の「コミュニティ」の存在を感じられたのもよかった。登壇者だけでなく質問者の人たちの雰囲気、主催・後援している学会など。Zoomで参加者を見てみると、名前を知っている研究者もチラホラ。高い関心を持つ人が集まってるんだなと。

  • いろいろと関連書籍だったりイベントだったりを知ることができたので、ネクストステップとしてもう少し深入りしてみたい。

こんな感じで今日はおわりだよ。

次回予告:これをきっかけにもう一歩探ってみて、何が起きるかしだいで・・・

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