禅僧の暮らし体験 子どもも大人も
※文化時報8月8日号の掲載記事です。
臨済宗大徳寺派の大本山大徳寺の塔頭、大仙院(京都市北区)で2日、恒例の「禅寺体験教室」が開かれた。子ども3人、大人19人が参加し、坐禅や作務=用語解説=を通して修行僧の生活を体験した。
毎年春と夏に開催し、今回で54回目。病気療養中の大和良章住職に代わり、山内正受院の福代明翔副住職が指導した。
参加者らは福代副住職と共に本堂で般若心経を唱え、禅堂で坐禅を体験。30分間にわたって心を整えた後、大人は写経を行い、子どもたちは作務として本堂前の廊下を雑巾で拭き清めた。
最後に尾関宗園前住職が法話を行い、「張れや張れただゆるみなき梓弓(あずさゆみ)放つ矢先は知らぬなりけり」の古歌で、無意識に芽生える心の緩みを戒めた。
一方、「頑張ってばかりいると、周りが怠けているように見え、責める気持ちが生まれてしまう」と指摘。「仕事を頂けるのは、他者の存在があってこそ。『ありがとう』を口癖にしてほしい」との言葉に、参加者らは深くうなずいていた。
京都市内の小学校に通う上田亜琉真君(8)は、4回目の参加といい、元気いっぱいに読経や作務に取り組んでいた。「普段はやらない坐禅が一番楽しかった」と笑顔で話す。
福代副住職は「教室で学んだことを少しでも日常生活に取り入れ、心を静める時間を取ってほしい」と話していた。
【用語解説】作務(さむ)
清掃など、僧侶が行う日常の労務。修行の一環とされる。
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