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命の教育、今こそ

※文化時報2021年12月16日号の掲載記事です。写真左は塚田博教氏、右は松浦善満氏。

 浄土真宗本願寺派の宗門関係校・龍谷大学大学院実践真宗学研究科は9日、小学生への情操教育に関する公開シンポジウム「宗教的情操の涵養」をオンラインで開いた。大阪千代田短期大学(大阪府河内長野市)学長の松浦善満氏と、京都女子大学附属小学校(京都市東山区)非常勤講師の塚田博教氏が、教育現場の課題を伝え、宗教に基づく命の教育の重要性を訴えた。

 松浦氏は、江戸時代の寺子屋や明治以降の仏教学校・教会学校など、宗教施設における教育の歴史を概観し、「人間同士のつながりの中、命に対する畏敬の念や思いやりの心を育てることが、宗教的情操教育の目的だ」と述べた。

 その上で、子どもの自死やいじめ、貧困問題に言及。「失敗が許されない風潮や実体験の不足によって、子どもの生活文化が貧困化している」と指摘し、学童保育など、学校や家庭以外の「中間世界」が必要だと訴えた。

 京都女子大附属小で27 年間、全学年の宗教教育を担当してきた塚田氏は、自身が教師となったきっかけや児童とのエピソードを紹介。「教員は、子どもたちの心の声を聴くレシーバー。大上段に構えず、一緒に悩むことが大切だ」と語った。

 また、死に関する話題を避ける風潮に警鐘を鳴らし、「他者の死に直面する瞬間は誰にも訪れるが、人生経験の少ない子どもほど苦しむことになる」と指摘。「死や命について真剣に語れる大人が必要。宗教はその最たる叡智だ」と呼び掛けた。

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