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国宝・十二天屏風など公開 東寺宝物館

 ※文化時報2020年10月14日号の掲載記事です。

 京都市南区の東寺宝物館で開館55周年記念「東寺名宝展―国宝十二天屏風と経典類」が開かれている。師から秘法を授かる伝法灌頂の際、道場守護のために安置される十二天屏風(国宝)や貴重な経典類など36件64 点が展示されている。11月25日まで。

 十二天屏風は、平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した絵師、詫間勝賀が1191(建久2)年に描いた六曲一双の屏風で、躍動感あふれる姿が特徴。前期と後期で六天ずつ公開。経典は奈良時代に写された「大般若経」(重文)や、印刷物の歴史を知る上でも貴重な史料とされる「宋版大般若経」(重文)も展示している。

 また、昨年1月に東寺本坊の蔵から発見された明治時代の「近畿地方古美術調査」の鑑査状139枚の一部が初公開された。寺社の文化財が散逸・毀損することを恐れた明治政府が1888(明治21)年、東京美術学校幹事の岡倉天心と文部省の御雇外国人、アーネスト・E・フェノロサらを派遣して寺宝の調査を行い、文化財の等級を示した貴重な史料という。

 新見康子東寺文化財保護課課長は「鑑査状は東寺の宝物が文化財として歩み出す分岐点になったことを示している。作品や史料から、東寺の文化財の奥深さを感じていただきたい」と話している。
 
 10月22日までと10月23日からで展示の一部を入れ替える。開館時間は午前9時~午後5時。拝観料大人500円、中学生以下300円。問い合わせは東寺宝物館(☎075-691-3325)。

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