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佛教大学四条センター 移転へ

 ※文化時報2020年10月31日号の掲載記事です。写真は歴代センター長の記念鼎談。

 佛教大学は23日、四条センター(京都市下京区)を閉鎖し紫野キャンパス(同市北区)に機能を移すセレモニーを行った。来年4月からは「佛教大学オープンラーニングセンター」として、情報通信技術(ICT)を活用し、オンラインと対面を併用した講義を行う。将来的にはより利便性の高い二条キャンパス(同市中京区)への再移転も視野に入れる。

 四条センターは1984(昭和59)年11月、京都市中心部の四条烏丸に開設。大学で蓄積してきた学問と研究成果を社会に還元する生涯学習施設として、毎年200以上の講座を開き、年間3万5千人以上が学んできた。

 人気講座をより多くの人に受講してもらうとともに、京都以外からでも参加しやすくしようと、昨年からICTの活用を検討。四条センターでは通信環境が整っておらず、新型コロナウイルスの感染拡大も相まって、移転と新センターの開設を決めた。

 四条センターでは、10単位以上の受講生を対象に、センター独自の学位を与えている。今回は、移転セレモニーと合わせて学位の授与式が行われ、250単位を取得した山本興三さん(79)が代表で表彰された。

 山本さんは、センターから約12㌔離れた自宅から自転車で通学。「12年間通い続けた。目標に達してよかった」と笑顔を見せた。

 歴代センター長を務めた田中典彦学長と清水稔名誉教授、篠原正典教授が、センター開設から移転に至るまでの思いを話し合う記念鼎談を開催。 撥遣式(はっけんしき)=用語解説=を営んで、36年間の歴史に区切りを付けた。田中学長は「これまでに多くの方が受講し、センターを愛していただいた」と感謝を述べ、釈尊が涅槃前に残した言葉を引用しながら、「これからの時代は、自立と自律が求められていくと思う」と、コロナ禍を経たニューノーマル(新常態)での生き方を示した。
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 【用語解説】撥遣式(はっけんしき=浄土宗)
 一般的に「魂抜き」や「お性根抜き」と呼ばれる法会の浄土宗における正式名称。仏像・菩薩像、曼陀羅(まんだら)、位牌、お墓、石塔など、礼拝の対象となるものを修理・処分する際に行われる。

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