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大丸の新選組羽織、壬生寺へ 仏縁で技術結集、復元

 律宗大本山の壬生寺(京都市中京区)と大丸京都店が新選組の隊服「浅葱色のだんだら模様の羽織」を復元し、同寺に奉納された。松浦俊海貫主や松浦俊昭副住職をはじめとする関係者らが集い、半年以上にわたる復元事業の成功を祝った。

 事業は、大丸京都店の「古都ごとく京都プロジェクト」の一環。同店が創業300周年を迎えた2017年、俊昭副住職が「当時の大丸が発注を受けたといわれる新選組の隊服を復元しては」と提案したのがきっかけだった。

 同店の総合プロデュースで、京友禅の老舗「千總」が図案、草木染の「染司よしおか」が染色を担当した。実物を知る手掛かりがほとんど残されていない中、愛好者らの助言を基に、当時一般的だった麻の布地とタデアイの染料を選び、俊海貫主が揮毫(きごう)した「誠」の文字を染め抜いた。昨年夏に制作を始め、今年2月末に完成した。

 3月27日、「壬生菜祭2020法要」に合わせて奉納。当日初めて完成品を目にしたという「染司よしおか」の6代目、吉岡更紗さんは「理想の色を出すのに苦労したので、仕立て上がった姿はとても感慨深い」と話していた。

 俊昭副住職は「小さな菜の花が集まって大輪の花を咲かせる壬生菜のように、京都を代表する職人が集まってこの羽織を作り上げることができた。ご本尊の地蔵菩薩がご縁を結んでくださったおかげ」と語った。

 私たちが週2回発行している宗教専門紙「文化時報」の中から、2020年4月8日号に掲載された記事を再構成しました。皆さまの「スキ」と「フォロー」をお待ちしております。
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