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キレイな水から順に氷になるように /THE_NEW_COOL_NOTER賞 お知らせ



製氷機はつかわず 製氷皿に水を張る

使う時間が近いときは少なめに まだ先のときには多めに張る

まず冷蔵庫に数十分 、温度を下げ 均して そして冷凍庫へ


実家台所に立つのは洗い物と このためだけだ

自分は 料理は守備範囲外なのだ


8割が氷 2割が水のとき その水のみを捨てる

この程度の不義理はよいだろう 少しだけの背徳と一緒に水も少量を捨てる

ロックアイス購入を控えた分で相殺される

水道水はキレイな順に氷へと変わる

洒落たバーに出てくるような透明な氷でギチギチのグラスを作る

ローゼズを うすく注ぐ

冷たさも移りきれないほど直ぐに500円玉大ぶんだけ舌にのせる

やはり濃ゆい 、うまい

いちばん濃ゆいやつがピリリと そして舌に浸透してゆく

氷に成りたてなものだから すぐに黄金色はマーブル柄を経て薄まりはじめる

オン・ザ・ロックは序盤だけに自重し 水割りにして楽しむ


ジャック、ターキー、アーリー  、バーボンが好みだ

角鷹(くまたか)、蜂角鷹(はちくま)も好む

焼酎は 赤の霧島が常在する


不純物のない キレイなところから順に氷っていく という習いに ごちる

そのキレイなものだけを使ったという手間が 雑味を取り除いた期待を煽る

グラスを傾け カラカラ音を聴きながら ゆっくりと透明氷とローゼズが溶け合うのを楽しむ

透明氷と傾けたグラスの隙間をローゼズが ゆっくりと走るように

嵩まし度合い と色の薄まりで味を想像する


やはり うまい 

やはり うまい


ひと手間かける雑味の取り除きを 次もぜひ施そうと習慣づいてゆく

自分は守備範囲外なのだが 料理をされる方はよくご存知であろう

ひと手間の価値


家呑みの氷には 白いろがあって当たり前だ

だが 、ときには白いろがなく透明に澄んだ氷だ 、やはり酒を引き立てる

純度がウリのロックアイス常用も魅力的だ

水はキレイな順に氷る

キレイな順に 固まっていく

雑味と不純物が氷となるのは 純度高い場所が氷となったのちだ 


50も過ぎれば純粋無垢など疾うに他人ごとである

いろんなものに囲まれ 見聞きし 対峙し 迎合してきた  

雑味と不純物、穢れと不徳 が服を着たような自分ごときが透明な氷を求める 

なかなか楽しいものである


水はキレイな順に氷となる

キレイな順に 固まってゆく

自分の中で 先に固まったものも きっと純度の高いキレイなものなのだろう

少々の雑味を受け容れられる程度に 純度の高いキレイなものが自分の中に固まってくれていれば申しぶんないな  などと思う


これから見聞きするもの 、自分の中に直ぐ固まるもの 記憶に定着するものが まだまだたくさんあるのだろう

それは純度の高いキレイなものから順々に固まっていくのではないだろうか



キレイな水から順々と氷になるように


    ※


THE_NEW_COOL_NOTER賞 、今回は月別テーマで開催しております

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初めて知られた方 、見かけたけど応募されたことない方も ご縁のきっかけになると幸いでございます☆

応募受理された作品を熟読させて頂き大切に講評させて頂いております☆


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8月度分の授賞が更新されております☆

ご覧いただけますと幸いでございます☆


キレイな水から順々に氷になっていく 、気付きが固まり 記憶に定着するような そんなエッセイとの出会いの場になれば嬉しく思います☆




キレイな水から順に氷るように / THE_NEW_COOL_NOTER賞 お知らせ






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