見出し画像

風に冷気が混じるころ



風に冷気が混じるころ

緑の草木は思い始める


風の温度が抜けるころ

盛夏は過ぎた思い出に


風が素肌を刺したなら

年は瀬にむけ数え歌


正直な緑は 黄へ紅へ

緑まま 留まろうなど欲をみせない

黄に映っても 紅に映えても

緑の実直な心意気は変わらない


それでも緑は緑


だからお願い そばに置いてね

ときの過ぎゆくままに

川の流れのように


こころが揺らいだとき 庭をながめるとよい

叶わぬなら 緑をさがすとよい


庭には二羽 にわとりがいる

一羽は 一話
一羽は 一和

庭にはストーリーがあって 、
庭にはそして 和みがある

一話のものがたり  一つの和み 、ひとつづつ受け取る



風に冷気が混じるころ

緑の草木は次の色彩、次の身なりを考えている


眼前に そんな姿を見かけたときに話しかける

「 あなた 可愛らしいわね 」

声に出すまでもない言の葉に 春の装いで応えてくれる


そうして繰り返される庭ものがたり

生命の根源は遡り 遡り 、わたしたちより先輩であること創造に難くない

見守り、実は見守られていたりする

変異の繰り返しで紡がれ繋がる生命

突然現れることは あの昔のあのときだけなのだ

あとは紡いで繋がって 変異しながら繋がって紡がれる


意図を持ち 思惑どおりに、季節を受け 暦を伝える緑たち 

そのままの姿を繰り返せるよう 人の手を入れる / 庭を愛でる



|ガーデン工房ふりーふ|

施工完了が庭の始まりで、住み手と共に育んでゆく そんな庭ものがたり

事務所を厚木市に構え、神奈川・東京近郊のお庭づくりに定評



風が季節を変えるころ

自ら装いを変える いのちがある





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?