見出し画像

BUNGU SQUAD STORY #10『開幕』

この物語は、BUNGU SQUADというアナログゲームがどういう経緯で生まれて、どのように世界に羽ばたいていくかを、現在進行形で書き残していく自叙伝である。

#1はこちら

2019年5月25日。
いよいよゲームマーケット2019春の本番当日を迎えた。

この時の会場は、東京2020オリンピックが開催予定だったことに伴い、期間限定で運用された仮設の「青海展示棟」にて開催された。

既に長蛇の列が出来ていた

━━━━━━━━━━━━━━━
✒︎  設営準備開始、そして開幕
━━━━━━━━━━━━━━━

一般ブースは朝8時から準備ができるとの事で、とりあえず右も左もわからない我がチームは、与えられた2時間をフルに使う事にした。
(※2019年当時は10時開場)

今見るとジャマイカの国旗と空目する🇯🇲

とにかく目立つ事しか考えていなかったので、イメージカラーなどは無視して原色でゴリ押ししていった。

真ん中に文具をたくさん詰め込んだアタッシュケースを置いて、その両脇に試遊スペースを構えた。

10時になる直前に、会場アナウンスが流れて、出展者・スタッフによる大きな拍手により、いよいよゲームマーケットがスタートした。

開場してすぐ、自分達のブースの目の前をたくさんの人が横切っていく。
早足どころか、中には半分走ってる人もいた。(後でわかったのだが、方向的に企業ブースの新作ゲームを我先にと手に入れるために一目散に向かっていったようだ)

そこから12時くらいまでは、しばらく暇だった。

それもそのはず。特にSNSなどで告知をしたりしていたわけでも無いので、そもそもほとんどの人が会場で初めて当ブースの事を知ったと思う。

なのでそれよりも事前に調べていたお目当てのサークルから回っていくのが自然だろう。

という事で、一旦ブースはスズキくんに任せて、僕は他のブースの様子を見に行くがてら、会場をグルっと回りに行く事にした。

青海展示棟という会場は2つの棟に分かれていて、大雑把に言うと片方が主に企業ブース、もう片方が一般ブースで固められていた。

何しろ初めてのゲームマーケットで、見るもの全てが目新しいので、とてもじゃないけどゆっくり全部を見て回る時間は無かった。

程よくして、自分のブースに戻ると、1人の女性が試遊していてくれた。

━━━━━━━━━━━━━━
✒︎  気になるゲームの反応
━━━━━━━━━━━━━━

そこに座っていたのは、後にゲームマーケット2019秋でもお世話になる「Yさん」という方で、その日は別のサークルの売り子のお手伝いに来ており、同じく時間が空いたから遊びに来てくれていたようだ。

話を聞いていくと、どうやらYさんも文具好きで、同じく文具を使ったボードゲームを過去に考えた事もあったとのこと。

そんな事もあり、恐らくカタログに載せたブースカットを見て興味を持ち、貴重な空き時間に遊びに来てくれたのだと思う。そしてゲームも大変気に入ってくれた。

当時のカタログに掲載したブースカット


更にその後、イベントを取材しているライターの方が来てくれて、ひと通りゲームの概要やルールを説明すると、とても面白がってくれた。

後日、「ゲームマーケット2019春」レポートとしてネット記事で紹介していただいた。

たった一つの記事に掲載してもらっただけだが、何百とあるゲームの中から「これは紹介したい」と思った6作の中に入れてもらえて、何の実績も無かった当時の僕はとても嬉しかった。


そして、午後からは徐々にブースに人が集まりだして、そこから閉場する17時まで、ずっとひっきりなしに試遊しに来てもらえた。

中には五目ルールで遊びたいと言ってくれた方も
接客業をやっていた事もあり、説明上手のスズキくん
一度遊んだ後にもう一度来てくれた青年


意外にも、というわけではないが思っていた以上にゲームへの反応が良く、中には
「今年やったゲームで一番面白かった」
と言ってくれた人もいた。

この時に体験してもらったのはミニゲームの方だったのにも関わらずそんな賛辞をいただいて、その後もずっと忘れていないほどの自信になったのは間違いない。

確か、初日は2人体制で計90人の方に遊んでもらったと思う。
上々のスタートを切れて、少しホッとしていたのを覚えている。


〜BUNGU SQUAD STORY #11へ続く〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?