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正確でわかりやすい文章を書くコツ

文章は、「情報の伝達ツール」です。
情報伝達ツールである以上は、間違ったことを書かないようにしなければなりません。

生態学者で京都大学名誉教授の梅棹忠夫さんは、著書で以下のように述べています。

「今日、すべての人にとって必要な、知的生産のための基礎技術としての文章は、ひとに感動をあたえるような、芸術的な文章ではない。ものごとと、思想とを、まちがいなく、わかりやすく、ひとに伝達できるような、機能的な文章なのである」(『知的生産の技術』/岩波書店)

ここでは、正確に伝えるための文章のポイントをお伝えします!

※文章術の名著100冊からノウハウを40項目まとめ上げた本書の概要はこちらです!
※こちらのページは、本書の第9位「『正確さ』こそ、 文章の基本」から一部をまとめています。

1.どんな文章も、第一の役割は「伝えること」

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文章の基本的な働きは、「伝えること」です。日記や自分用のメモは別にして、文章は、読む相手がいます。
文章は、「相手」に伝わってはじめて、役割を果たします。

作家で英文学者の丸谷才一さんは、『文章読本』(中央公論社)の中で次のように述べています。

「たとへ冗長だらうと、同じ言葉が何度も出て来て見苦しからうと、それで一応のところまあ通用するのである。(略)逆に、どんなに美辞麗句を並べ立て、歯切れがよくても、伝達の機能をおろそかにしてゐる文章は名文ではない。駄文である」(『文章読本』/中央公論社)

正確に、わかりやすく書かれていないと、相手には伝わりません。
したがって、美しさよりも、文章の歯切れのよさよりも、正確さ、わかりやすさが重視されます。

では、正確でわかりやすい文章の条件とは、何でしょうか?

2.誤解なく書く、全て書く!

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文章のプロたちの記述をまとめると、以下の条件になります。

<わかりやすい文章の条件>
●誤解なく伝える
●必要な情報がすべて書かれている

以下の例文を読んでみましょう。

<悪い例>
吉田さんは岡本さんのように、長い時間泳げない。

岡本さんは、長い時間泳げるのか、それとも泳げないのかがはっきりしません。
仮に、吉田さんと岡本さんが、ともに、長い時間泳げないのであれば、次のように文章を書き直す必要があります。

<改善例1>
吉田さんは、岡本さんと同様に、長い時間泳げない。

岡本さんは長い時間泳げるけれど、吉田さんは泳げない場合は、次のように修正します。

<改善例2>
吉田さんは、岡本さんが泳ぐように、長い距離は泳げない。

では、イベント開催のお知らせとして、下記のような案内が届いたらどうでしょうか。

<悪い例>
○○さんの誕生日会を下記の通り開催します。
● 日時:○月○日(木)14時〜18時
● 最寄り駅:△△海浜公園駅
● 会費:3000円
出欠を3月20日までに田中宛にメールでお知らせください。
田中メールアドレス:tanaka @△△ .jp

この文章には、「開催場所」が抜けています。
必要な情報がすべて書かれていないと、読み手が混乱します。
社内外のメールのやり取りなどにおいても、情報の抜けや漏れがないように注意することが必要です。

まとめ

第9位「『正確さ』こそ、文章の基本」をご紹介しました。
文章は、相手にきちんと意味が伝わってこそ、はじめて役割を果たすことができます。まずは、何を相手に伝えたいのかを明確にすることが大切です。その上で、正確に伝える要点をおさえるようにしましょう。

今回ご紹介したほかにも、本書ではわかりやすい文章のポイントを詳述しています。ぜひご覧くださいね。

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著者プロフィール

(構成:小林莉子/富女子会ライター部)

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