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文章力に差がつく「句読点」と「段落」のルール

文章術ランキング13位は「句読点の使い方」でした。
句読点とは、句点(「。」いわゆる「マル」)と読点(「、」いわゆる「テン」)のことです。
句読点には、「文章の意味を明確にする」「リズムを刻む」といった、文章にとって重要な役割があります。

そして、14位は「段落分けの仕方」がランクインしました。
改行がなく、長い文章が続くと、非常に読みにくい文章となってしまいます。改行し、段落に分けていくことで、文章は読みやすくなります

今回は、文章が読みやすくなる、「句読点の使い方」と「段落分けのルール」についてご紹介します。

※文章術の名著100冊からノウハウを40項目まとめ上げた本書の概要はこちらです!
※こちらのページは、本書の第13位「『、』『。』をテキトーに打たない」と第14位「段落はこまめに変える」から一部をまとめています。

1.テン(読点)の8つのルールを覚える

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マル(句点)は文の終わりにつけます。文章を書いてるときに迷うのは、テン(読点)の位置ではないでしょうか。
テンには基本のルールがあります。まずは、例をみていきましょう。

<悪い例>
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて感激しました。

悪い例は、そのままだと複数の意味に取れます。

意味(1)
今までもフランス料理のフルコースを食べたことはあるけど、「(今回)生まれてはじめて感激した」。

意味(2)
「(今回)生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べた。そのことが感激だった」

意味(1)を表現したい場合は、下記のように「はじめて」の後ろにテンを打ちます。

<改善例1>
生まれてはじめて、フランス料理のフルコースを食べて感激しました。

意味(2)を表現したい場合は、下記のように打ちます。

<改善例2>
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて、感激しました。

テンの打ち方には、基本ルールがあります。8つのルールを覚えておきましょう。

<テンの8つのルールと例文>
1、文の切れ目に打つ
●姉の家族が遊びに来たので祖父は喜んだ。

2、修飾する文章が長いとき、そのあとに打つ
●昨夜は借りてきたビデオを遅くまで観ていたので今朝は眠い。

3、対等に語句を並べるときに打つ
●家族も友人も同僚もみんなが彼を心配していた。

4、接続詞、逆説の助詞のあとに打つ
●今はいい天気だが明日は大雨の予想だ。

5、挿入された語句の前後や文節を区切るときに打つ
●今日の会議のテーマは先日お伝えしたように来期の予算についてです。

6、引用を示す「と」の前に打つ
●歴史は繰り返されると先生が言った。

7、感動詞や呼びかけの句のあとに打つ
●ねえ私の話を聞いている?

8、修飾する語とされる語の関係を明確にするために打つ
●生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて感激しました。

ただし、上記の通りに打たなかったといって、間違いではありません。リズムの良い場所、呼吸をする場所でテンを入れる場合もあります。
詳しくは、本書で解説していますので、さらに学びたい方はチェックしてみてください!

2、改行のタイミングは、内容や呼吸の切れ目

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段落分けには、次の3つのルールがあります。

<段落分けの3つのルール>
●書き出しは1字下げる。
●段落をつける。
●改行後、新しい段落は1字下げる。

ただし、ウェブやSNSでは1字下げをしないこともあります。

段落は一般的に、「長い文章を内容で分けた区切りのこと」と定義されます。内容が変わるところで、改行し、段落をつくっていきます。
内容に加えて、呼吸を意識して改行し、段落をつくっていく。その過程で、作家と読者の呼吸が合えば、読者を文章の中へ引き込んでいくことができます。

<悪い例>
生後2か月の子猫の兄弟を3匹引き取った。兄弟のうち2匹 は元気に走り回った。最後に生まれた1匹は小さく、体重は 2匹の半分ほどだった。目ヤニがつき、歩行はよろよろ。今にも倒れそう。食欲もなかった。この弱々しい末っ子を獣医 に診せると、「脱水症状だね。2時間おきに哺乳瓶でミルクをあげなさい」とアドバイスしてくれた。指示通りにすると、末っ子はみるみる元気になっていった。
<良い例>
 生後2か月の子猫の兄弟を3匹引き取った。
  兄弟のうち2匹は元気に走り回った。最後に生まれた1匹は小さく、体重は2匹の半分ほどだった。目ヤニがつき、歩行はよろよろ。今にも倒れそう。餌にも手をつけなかった。
  末っ子を獣医に診せると、「脱水症状だね。2時間おきに哺乳瓶でミルクをあげなさい」とアドバイスしてくれた。
 指示通りにすると、末っ子はみるみる元気になっていった。

悪い例は、パッと見たときに、文字の塊に見えて、読む気がそがれます。文頭の文字が1字下がっておらず、改行がないため読みづらくなっています。
良い例は、文頭を1字下げ、時間の流れが変わるところで改行をして、段落を4つに分けています。

内容が変わるところでは、ひとつの文であっても改行します。ただし、内容が変わらない場合でも、ひとつの文があまりにも長い場合は、改行します。

また、見やすさの観点から、パソコンやスマホで読む文章では、改行の頻度を多くします。
それぞれの場合についての詳しい解説は、ぜひ本書をご覧ください。

まとめ

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今回は、第13位「『、』『。』をテキトーに打たない」と第14位「段落はこまめに変える」をご紹介しました。
句読点や段落は、細かいポイントではありますが、それぞれ効果的に使えるようになると、より伝わる文章、わかりやすい文章にランクアップします。
ぜひ、見直してみてくださいね!

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著者プロフィール

(構成:紺野萩子/富女子会ライター部)

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