見出し画像

果物をのんびり食べる幸せ

 僕はたまに無性に果物が食べたくなる。果物を食べると身も心も満たされるし、食べている時間が優雅で、とても贅沢な気持ちになれる。
 仕事帰りとかに、八百屋に行ってみかんとキウイを買う。ついでにカルディによって、いい感じのハーブティを買ったりデカフェのコーヒーを買う。
 そして家に帰り、シャワーを浴びて適当なご飯を食べる。ベッドメイクとか次の日の準備を先に済ませたあとは、台所に行ってフルーツを冷蔵庫から取り出して、適当なお笑いラジオや癒し系の音楽を再生する。
 キウイをまな板に乗せて、綺麗に半分にストンときる。みかんをペリペリとむいていく。お湯をコトコトと沸かす。このストン、ペリペリ、コトコト、この音で少し癒される。なんでもないのに、なんだか贅沢な気持ち。どこか西洋の屋敷に住んで週末を過ごしているような優雅な気持ち。
 そしてお茶入れをガサガサと漁り「どれにしようかしら、カモミールティーかしら、さっき買ったノンカフェインコーヒーかしら、ココアも良いわね」と中年男性に眠る、女性的な面を見せながら逡巡する。
 皮を剥いたみかんと、半分に切られたキウイをお皿に盛り付け、ついでに冷蔵庫に残っていたヨーグルトも器に盛り付けたりしてみる。そこにジャムをかけてみたりして。そしてお茶と一緒にお盆に乗せて、テーブルに持ってくる。穏やかな旅番組とか日常系アニメとか穏やかな映画をつける。
 そしてお茶の匂いを嗅ぎ「あら上品なカモミールの匂いですわね」「あちっあち!まじであっちい!」とか言いながらお茶を飲む。「あら失礼」とかいう。そしてみかんを口に運ぶ。みかんの爽やかな香りと甘さが広がる。すかさずヨーグルトを食べる。アニメの幼女を穏やかな仏のような表情で眺める。
 デザートスプーンでキウイをシャリシャリとすくって口に運ぶ。「ビタミンが染み渡って、お肌にもいいわね、睡眠にもいいらしいわよ」とか独り言をいう。中年男性だって、たまにはお嬢様気分で優雅にフルーツを食べたい時がある。穏やかな気持ちでぐっすり眠る。
 皆さんもぜひフルーツ貴族やってみてください。夜寝る前に30分あれば、少し満たされた気持ちになりますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?