梅干しの種が見つからない。
仕事の昼食には、前日のおかずの残りと小さなおにぎりを2つ持って行くのが習慣になっている。
実家の梅干しを1つ取り出して、果肉を分けて両方のおにぎりに入れる。片方は果肉の残った種をそのまま押し込む。おかずはタッパーに入れ、おにぎりはハンカチでさらに包んで持って行く。食べ終わると、おにぎりを包んであったラップに梅干しの種を入れてクルクルとまとめ、タッパーに入れて持ち帰って処分する。
それがルーティーン。
ルーティーンというのは、無意識にやってしまうことが多い。記憶があやふやになりがち。後から考えると、「本当にその通りにやっただろうか?」と思うことが度々ある。
何が言いたいかというと、先日仕事から帰ってきてそのまま風呂に入り、洗い終わった洗濯ものを洗濯機から取り出したら、あちこちにラップがくっついていたのである。
え?
え?
ま、さ、か、おにぎりを包んでいたラップを洗ったのか?
待てよ、タッパーを洗った時にクルクルにしたラップはあったような? いや、無かったかも。でも朝はおにぎりを握るとき以外にラップを使うことはないし、ポケットに入れた覚えもないし。丸めたラップをいつものようにタッパーに放り込んだつもりでいたが、ハンカチで包んで持ち帰り、そのままハンカチを洗濯機に入れちゃったのだろうか。
記憶を辿っても、一連の動作が無意識なので全然思い出せない(笑)。しかし現実には、無惨に破け散ったラップがそこかしこに付着している。
しばらく呆然と立ち尽くしていた。
そして気づいた。
はて、ラップを誤って放り込んだとして、梅干しの種は何処へ?
洗濯ものを干しながらラップを取り払い、種が無いか探ってみたのだが見つからない。他に考えられるとしたら洗濯槽。覗いてみたけれど、見当たらなかった。梅干しの種、どこ行った……。15年戦士の洗濯機に不具合が出るのは困る。まずい。
あちこち探してみたが結局見つからず、2週間が経過。消えた梅干しの種は一体……。洗濯槽の無数の穴のどこかに入って排出されたのだろうか。ちなみに、あの種から発芽することはあるのかな。たぶん無いよね。
そういえば、昔うちのお兄ちゃん(あのお兄ちゃん)が、スイカやリンゴを食べた後に種を植えたことがあった。スイカについては、竹とビニールを使ってハウスまでこしらえた。変なところにこだわりがあるのは、昔から(苦笑)。
最後まで成長したのはリンゴ。と言っても実はできていないが、きちんと樹木となり、10年以上庭先に植えられていた。
さて、梅干しの種の行方。
今のところ洗濯機に不具合はないけれど、気になって毎日洗濯槽を覗いてしまう。そもそも、本当に梅干しの種を包んだラップだったのか? と、また堂々巡りの思考に陥るので、この記事を機に一旦脳内からラップ事件を削除したい。
でも気になるわーーー。
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