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ぶんぶんカフェ・プレ企画part1 歴史ある建物に親しみ応援へ

2020年8月29日に歴史・文化・交流の家 長谷川家にて、ぶんぶんカフェ プレ企画part1を無事に開催することができました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。

歴史・文化・交流の家 長谷川家は、南区・東九条に約280年の歴史を持つ農家住宅です。国の有形文化財登録をされ、京都市の「京都を彩る建物や庭園」に認定、歴史的風致形成建造物に指定されています。

会場

イベントでは、京都市文化財マネージャーの大谷清司さん、是永美樹さん、鞍元玉緒さんからお話をいただき、その後意見交流をしました。

竜吐水ってご存知ですか?

大谷さんより、長谷川家の概要説明とその関わり方、竜吐水(りゅうどすい)についてお話いただきました。大谷さんは文化財マネージャー上級講座の調査対象として2013年より長谷川家に関わり、その後も長谷川家に残るさまざまな古文書・お道具調度品の数々・長谷川家周辺につながる歴史に魅せられて、長谷川家住宅の事務局として関わってはります。

大谷さん

竜吐水とは、江戸時代後期から明治時代初期まで活躍した大型消火器で、長谷川家にも埃をかぶった状態で残されていました。その竜吐水を復活させるべく、古材文化の会で修復ワークショップが4回にわたり行われ、清掃・部品解体・復元と重ねられました。見事、初放水が成功して、その時の動画もご紹介いただきました。

竜吐水

この185年前の竜吐水放水が成功し、これをどのように活用していくかというのが次のテーマでもあります。地域での防災イベント等で放水実演や体験等で防災意識向上に一役買うといいですね。

東九条・農家住宅の研究&竹田街道お散歩マップ

是永さんは、京都へ移住後、京都の文化を学びたいということで2014年に文化財マネージャーを受講されました。長谷川家住宅の受付ボランティアからおつきあいが始まり、事務局として展覧会の企画・運営やグッズ開発など多岐に渡る活動ぶりをご紹介いただきました。

キャプチャosanpomap

長谷川家の古文書とともに、洛南農村のくらしを紹介する展覧会の企画運営をされる中で、是永さん自らも東九条に残る農家住宅の調査研究に携わるようになり、竹田街道お散歩マップでは、京都駅の南側というなかなか観光で行くことは少ないあたりを楽しくお散歩する!という提言をされています。京都の地域文化の多様性に学ぶことは多く、(建物だけではない)文化財を守っていくためのサポートが必要とされていると感じます。

キャプチャ2019

京都市では京町家に対する条例制度は整備されつつありますが、古民家・農家住宅はまだこれからかと思います。このような調査の積み重ねが、保全継承へ向けての後押しになることを望みます。

マジョリカ焼の復元&学生の文化活動発表サポート

鞍元さんも2014年に文化財マネージャーを受講され、上級講座を受講後に古材文化の会事務局として活動に関わるようになったのがきっかけで、その後職場が変わっても文マネとして長谷川家のサポートにずっと関わっています。

キャプチャmajorika

長谷川家の現当主のお父様が画家の長谷川良雄氏で、絵画作品が長谷川家のツシ二階ギャラリーで展示されています。マジョリカ焼も良雄氏の作品のひとつであり、その復元プロジェクトをすることとなりました。また、制作費用を捻出するためにクラウドファンディングにも挑戦しました。(クラウドファンディングでの終了報告はこちら)製作方法など試行錯誤しながらのチャレンジとなりました。

学生による文化活動発表の場提供のサポートは、若い人たちにも古い建物へ訪れてもらうきっかけとなってほしいという思いで企画されました。今までに寄席や弦楽コンサート、演劇が実現しています。

「細くとも長くつながり続けることで見えることもある」という鞍元さんの言葉がよかったです。みんな仕事等で忙しいとは思うのですが、少しでも活動を始めてみると見えてくる景色があるなと思います。

ありがとう、ぶんぶんカフェはじめの一歩

長谷川家所有者の中川さんご夫妻には、家に対する思いを話していただきました。新型ウイルス感染予防しなければならない時期での開催で、リアル参加人数を制限していたのですが、家に人が集まってくださったことを中川さんご夫妻に喜んでいただけてとてもうれしく思いました。

今回は、リアル&オンライン開催だったのですが、初めてのオンライン配信でさまざまな課題を残しました。会場参加者と画面の向こうと交流したかったのですが、うまくいきませんでした。もちろんリアル参加してもらいたいのですが、遠方な方&時間に制約のある方々にもオンラインで覗いてもらえるよう頑張りたいと思います。

イベント後のアンケートでは、文化財マネージャーの具体的な活動を知ることができてよかったという感想が多数寄せられました。さらにネットワークが広がっていくことに期待がふくらみます。ご協力いただいたみなさま、応援してくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。

発表者3名


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