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悲劇のお昼サッカー

今日は一つ、自分の中学入学時の話をしようかなと思います。
皆さんは、中学・高校時代、いわゆる青春時代を楽しめた派閥でしょうか? あまりいい思い出ないな派閥でしょうか? 双方いるかと思いますが、かく言う自分はというと、”素晴らしい”中高一貫校で灰色の青春を送りし者でありまして、今も度々思い出しては、頭を抱える毎日でございます。
てなわけで今回は、そんな私の地獄の中高6年間の入り口について紹介することで皆様とシェアハピしていきたいと思います。

遡ること12年前、10歳の僕は中学受験のため、某Nバッグを背負い始めました。といっても、決して自分からというわけではなく、その当時はまだ現役バリバリ目バッキバキの教育ママだった母親の勧めで入学したのです。

そんなもんだから、僕はまるで勉強しなかった。まだまだ友達と遊びたかったし、サッカーも続けたかったからです。かといって、目バッキバキの母の中に辞めるという選択肢が存在していないことも理解していたので、嫌すぎてゲーゲーえずきながらも週2回の授業を受けに行き、毎週末のカリキュ〇ムテストは無勉で受けていました。おかげで理科なんかはひどいもんで、毎回40点取れればいい方でした。(100点満点)

それでも不思議なもので、いつの間にか塾通いにも慣れ(えずきだけは止むことなく)あっという間に受験本番を迎え、一度は落ちたものの、第一志望の自称進学校に無事合格しました。いや、残念ながら合格してしまったのです。

そんなこんなで第一志望に合格してしまった僕は、それはそれはウキウキで春休みを過ごしました。

「中学に上がったら、サッカー部に入り、たくさんの友達を作り、ゆくゆくは医者か歯医者になるんだ」

今考えると短絡的すぎて顔から火が出るほど恥ずかしいですが、あの頃の僕は本気でそんなことを考えていました。自分がその先どうなるかも知らずに。

そして迎えた入学式(おせーよ)、僕は緊張しながらも、期待に胸膨らませ、地獄の門をくぐりました。
教室に入ると、緊張した中学1年生たちが自分の席でもじもじ座っており、自分もその一員に加わりました。「誰と友達になれるだろうか」「何人くらいサッカー部に入るだろうか」「みんな頭よさそうだな」なんてことを考えながらあたりを見回し、自分はこれから6年間をここで過ごすんだなあ、なんてちょっと情緒的な気分にもなりました。

迎えた二日目、僕はある違和感を抱いていました。

「…なんか思ってたのと違う」

そう、なんか思ってたのと違うのです。もっと小学校の時みたいに、自分がクラスの中心にいて、周りとワイキャイできる感じかと思ってたけど、意外と言動が大人っぽいし、結構ぐいぐい自分のことアピールしてる子いるし、なんなら既にクラスカーストが三合目くらいまででき始めてるし、自分はその麓にいるし、小学校の時は一軍でバリバリだったのに、中学上がったら既にオープン戦の段階で二軍に落とされてるし。

井の中の蛙

僕はまさに、都会のシティガエルボーイを知らない、ド田舎ガエル少年だったのです。そしてその違和感は、三日目にして本物へと変わります。その惨劇は昼の1時ごろ、グラウンドでサッカーをしているときのことでした…

その日初めてグラウンドで遊ぶことを許可された僕たちは、早速サッカーをすることになり、中学開幕ダッシュに出遅れたのをひしひしと感じていた僕は、「ここでいいとこを見せて、一発逆転ホームランをかましてやる!!」と息巻いて、教室を飛び出していったのです。

開始3分、僕は愕然とした。僕が知ってるサッカーじゃない。確かに二年のブランクはある。それを差し引いても、とても僕がやっていたスポーツではない。 そう、僕が進学した先は、サッカーが強いところで有名だったため、受験生でもサッカーを続けていた人や、クラブチームでやっている・やっていた人がゴロゴロいたため、小学四年生のサッカーまでしか知らない僕が入るスキはなかったのです。

「これは大変なところに入ってしまったかもしれない」
焦りと絶望に苛まれ始めたその時、僕の目の前にチャンス(ボール)が転がってきました。これは行くしかない。そう思って、力を振り絞り、ゴールめがけて思いっきり振り抜いた!

残念ながらボールはポストの上。ああ、ダメだったか…そう思った次の瞬間

   「つまんな」

その刃のような一言は、ムラタ少年の、希望も、自信も、期待も、喜びも、楽しみも、すべてを打ち砕いて僕の胸に特大の陥没を施したのです。(ちなみに今も修復作業中です)

この一言で完全にノックアウトされた僕は、その後二度とグラウンドでサッカーをすることはありませんでしたし、もちろんサッカー部ではなく、週三回でOKなテニス部に入部し、陰キャ街道のトップオブトップをひた走り、気づいた時にはスクールカーストの最底辺を独走していました。今の僕の下地が出来上がった瞬間とも言えるかもしれません。


以上が僕の地獄の入り口で経験した話です。なお、つまんなと僕に言ったT君はおそらく来世でサッカーボールに転生して僕におもいっきり蹴られてゴールポストの上飛んでく運命なので、人間やるなら今の内やでと伝えてあげたいですね。
今回はここまでにしておきますが、それから起こった様々な囚人エピソードを、自分の記憶を残すという意味も含めて書いていこうと思うので、暇つぶしにでも読んでいただければと思います。では、おやすみなさい。
(AM3:30)

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