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港区(勤務)女子の「発心」その39@野毛山 横浜成田山

普段は表に出てこない物の話を一つ。

映画『死刑にいたる病』を観てきました。白石監督の持ち味のバイオレンスな要素はありつつも、特に死刑囚との面会時、ガラス越しに映ったり映らなかったりする互いの表情までも細微に描かれていました。社会に蹂躙される弱者たちの、その逃れられない宿命を表面化した作品だと解釈しました。

鑑賞後、どんよりとした気持ちとは裏腹に、外はは快晴。休日ということもあり、みなとみらいのショッピングモール内の飲食店はどこもいっぱい。少し遅めのお昼にありつくため、野毛エリアで探すことにしました。狙い通り、こちら側にはファミリー層やカップルは流入していませんでした。

お店探しをする中で、ふと見慣れない巨大な影が視界に入り込みました。見上げると、繁華街を過ぎた先、擁壁の上に聳え立つ朱色のビルと、その屋上に神社仏閣らしい緑青色の屋根が。『千と千尋の神隠し』の湯屋を想起させるその巨大な建造物に、迷わず足が向きます。

麓に立つと、「成田山横浜別院 延命院」の文字。参道という名のビルの非常階段をひたすら登ると屋上が境内にたどり着きます。ちょっと不思議な造り。振り返ると、ランドマークタワーや観覧車が遠くに一望できます。

成田山の別院ということもあり、屋内には不動明王が奉られていました。その眼前に座り、静かに祈りを捧げている人の姿もありました。こちらの御朱印は、通常の漢字版と梵字版があり、迷わず梵字を選択。加えて、ブルーに金文字が映える開創150周年記念御朱印も購入。

普段、陽が落ちてからしか訪れたことなかった野毛では知ることのない、隠されていたコアの部分を見たような気がしました。

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