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港区(勤務)女子の「発心」その31@山梨 冨士山小御嶽神社

「死」について考えた話を一つ。

前回の続きです。再び「山麓園」さんに戻ろうとした矢先、富士五合目の山道が思ったより早く閉まることが判明し、先に向かうことに。山頂はとっくに綿帽子を被っていましたが、途中路肩にも雪が積もっていました。車でぐんぐんと2,000m近くまで登っていきます。

駐車場に降り立つと、一気に震えがきました。が、澄んだ空気が何とも心地よかったです。五合目からは意外と山頂が近く感じられるのが不思議。小御嶽神社にお参りして、裏手にある展望台から景色を眺めました。「影富士」と呼ばれる、富士山の大きな影が樹海を覆っていました。西日が差す夕方にしか見ることのできない風景なので珍しいのだとか。

この富士山麓周辺は、どうしても「死」を想起してしまいます。富士の樹海。ルポライターの村田らむさんが、まだ白骨化していない、原型を保った新鮮な死体はレアだと著書で言っていたなぁとふと思ったり。今はなきオウム真理教の教団施設も上九一色村にありました。数年前、御嶽山の噴火で多くの人が命を落としましたが、その少し前に登っていたこともあり、富士山の噴火も人一倍警戒してしまいました。

しかしその反面、遠くに連なるアルプスの山々に雲海がたなびく様は、まるで日本画に描かれたままの静寂を保ち、紛れもなく日本人の心の風景そのもの。生と死の、紙一重の美しさがそこに表れ出ていたように感じました。

朝から何も食べていなかったのが功を奏し、下山後ようやく入店できた「山麓園」さんでお腹いっぱい食べました。お会計口に、外国から来た方々が自国のお札を貼っていくという流れができていましたが、その中でもカナダの縦長のお札は珍しいそう。Twitterに写真をアップするので是非見てみてください。

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