感情をそのまま音にして。

最近はわりかし淡々と過ごしていた。

フィンランドに行くまでは、
頭の中も行動もお金も節約。
放課後や休日に誘ってもらった遊びも断って、自分への投資、大好きな香水のサブスクも2ヶ月間お休みすることにした。

海外で教壇に立つことは大学に入る前にから4年間で成し遂げる目標にしていた。やっと夢が叶う。選考だって課題だって、時間をかけて取り組んできた。
だから、少し我慢だ。今我慢しないと後で後悔する。そんな気持ちで過ごしていた。

フィンランドの渡航へは、結局いろんなものが必要になって、何不自由なく過ごすためにはトータル60万円くらいかかる。
自分の貯金を崩しても足りなかった10万円は情けないけど親に借りた。
やらなきゃいけない準備は山ほどある。

けれど、時間が経つにつれてこんな大変なら辞めれば良かったと思うようになっていった。あんなに行きたかったのに、近づくにつれて、迷いが出てくる。欲しい。行きたい。買いたい。60万円で欲しいもの買えばよかった。みんなはいいなぁの欲に私はいつの間にか敵わなくなっていった。

頭の中が気づかないうちに遅延、停止、工事中に変わっていた結果。私は、いきなり声が出なくなった。

心は追いついているのに体が追いついていなくて後から大ダメージのパターン。
そして、頭は働くのに、身体が動かないのいつものパターン。

自分のキャパをまた見失ってしまっていた。
思っている以上にキャパがないのをいつも忘れて、後から後悔する。

声が全くでない日が３日程度続いた。
今でも声が出にくい。
喉はもともと強い方だし、今までどれだけ叫んでも枯れることもなかった。
朝起きてベットでちょこっと落ち込んでから始まる日が続いた。

でも落ち込んでても日は繰り返す。
同じように外は暑いし、嫌でも学校に行かなければいけない。

コンビニで袋入りますかと聞かれた後の少しの沈黙。
ありがとうを頭をペコってするだけのちょっとした心残り。
相談をしてくれてるのに、すぐに君は大丈夫だよって言えないモヤモヤ感。

すぐに言葉にならないって辛い。
初めて感じた。

でも気づけたことも沢山あった。

言葉がなくても大事な人は、変わらなかった。

これは私にとってちょっと大きな発見だった。「この人の言葉が好き」が私の周りにいる人の大前提だと思っていたけど、目が合うだけでちょっと心がウキウキする感覚とか、一緒に歩いてるだけなのに安心する感覚とか。このたった1週間でさらに周りの人と良さに気づけたし、もっと愛が増した。

ある友達が私にこう言った。
「蝉に声とられちゃったね」

あいつのことだから、馬鹿にして言ってきたけど、この表現はなんか腑に落ちた。
（私のノートを愛読してくれてる1人だから、たぶんまたいじってくる）
ちょっとの間、私の声は7日間全力で鳴くためにも蝉に貸した。レンタルだから、遅れずに返しては欲しいけどゆっくり焦らないことにしよう。

すぐに言葉で伝えられる。
思ったことをすぐに言葉にできる。
この大事さにちゃんと気づけた気がする。

明日も朝には空が明るくなって、夜には暗い光が私を包む。
たぶんどこに行っても、幾つになっても変わらない。
そんな日の中に溢れる言葉をちょこっと今までより大事にしたいと思う。

そして、みなさん。
自分のキャパはちゃんと守りましょう。
あと、ほどほどにご褒美も必要です。^^;