ブルラッシュ

株式会社ブルラッシュと申します。2021年12月設立。http://bulrush.c…

ブルラッシュ

株式会社ブルラッシュと申します。2021年12月設立。http://bulrush.co.jp 主に次の事業を手がけています。 (1)書籍の企画、編集、制作、出版および販売事業。 (2)電子出版物の制作、販売および仲介。 事業に関連したお知らせなどを発信していきます。

最近の記事

翻訳書情報というサイトを始めましたChatGPTも使って

会社の事業展開を考えているとき、翻訳家の金原瑞人さんが私費を投じて発行していたフリーブックレットBOOKMARKが終刊となるというニュースを知りました。翻訳された海外文学を紹介するための、CDケースのサイズ24ページの小冊子です。図書館や一部の書店に置いていました。広告も入っていなくて完全な持ち出しだったと思うのですが、その精神を受け継ぎつつ事業の継続性も確保できないかなと考えてみました。 しかし紙に印刷して綴じ、全国の図書館に配布する経費をまかなうだけの広告をとるとなると

    • 出版の志とは(八重洲ブックセンター本店閉店に寄せて)

      大型書店の先駆け、八重洲ブックセンターの本店が本日2023年3月31日午後8時をもって営業終了しました。日経MJの記事には「44年の歴史に幕を閉じる」とあります。周辺の再開発のためで、跡地には新たに地上43階建て地下3階の超大型ビルができるそうです。2028年度に竣工予定だとか。そこに改めて入居する予定だと言いますが、これまでのようにビルの大部分を単一の書店が占めていたのとはかなり様相を異にするのではないかと想像します。 大手ゼネコン鹿島建設(現在は鹿島)の社長・会長を務め

      • 書籍の印刷の品質をどう考えるか

        一読者としての経験を出発点に、決意表明的なことを書きます。 本は買うと場所をとるので、電子版が出ているものはなるべく電子版で買おうと考えた時期がありました。その時期には手持ちの書籍もなるべく裁断してスキャンしてデータ化していました。それが、ある時期から紙のまま持っていたほうが何かと楽しいと思うようになり、現在は本棚から本があふれていますがなるべく紙で持っていようとしています。どう収納するかは悩みますが。 「楽しい」と書いたのは、物体として愛でることができるという側面と、書

        • 「発刊の辞」の研究

          KADOKAWAの角川歴彦会長が東京五輪の贈収賄事件にからんで逮捕されたのは出版にかかわる者には衝撃でした。SNSでもいろんな人の感想や意見が読めました。角川書店の思い出とか。その中で気になったのが、角川文庫の最終ページあたりに載っていた「発刊の辞」がなくなっているらしいという話題。 え? マジで? 文庫レーベルで特に老舗は、すべてではありませんが、レーベル発足にあたっての発行人の決意や読者への呼びかけを格調高く記すページを設けています。 有名なのは岩波書店創業者の岩波

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          本を通じてウクライナを知る

          ウクライナ情勢がますます切迫してきました。少し前からこの国に関心を持って、何冊か読んだので紹介します。 冒頭の画像は手元にある3冊です。うち1冊はkindle版で、表紙画像を表示したタブレットを写しました。 左の中公新書『物語 ウクライナの歴史』は駐ウクライナ大使も務めた外交官、黒川祐次氏2002年の著作で、やや古いですね。巻末に略年表も載っていますが1999年まで。しかしウクライナという国家がまだ存在していなかった古代、スキタイから説き起こしていて、歴史が一望できるのが

          本を通じてウクライナを知る

          社名の由来

          ブルラッシュ(bulrush)とは、正確に説明しようとすると長くなってしまいますが、かいつまんでいうと英語で葦の仲間の草、パピルスを指します。冒頭の画像で小学館『ランダムハウス英語辞典』(第2版)bulrushの項のスクリーンショットを示しました。古代エジプトで紙を作るのに使われた植物です。 先人が紙などの物質に記録を残してきた結果、私たちの現在があります。そのことへの感謝の念を込め、他者と自然への畏敬の念を形として表すことを企業理念の中心に据えて出版業に取り組みます。

          英和辞典編集に際して考えていたこと

          2021年12月に株式会社ブルラッシュという法人を設立し、書籍の企画、編集、制作、および販売事業などを手がけています。自己紹介代わりに、これまでに携わった仕事の内実に関して以前はてなブログに書いた記事 https://zokkon.hatenablog.com/entry/2019/12/07/060000 を若干修正して掲載します。 とある中堅出版社で10数年にわたり、2カ国語辞典(具体的には英和辞典と和英辞典)の編集という仕事をしてきました。「出版社」「編集」と一口に言

          英和辞典編集に際して考えていたこと