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社名の由来

ブルラッシュ(bulrush)とは、正確に説明しようとすると長くなってしまいますが、かいつまんでいうと英語で葦の仲間の草、パピルスを指します。冒頭の画像で小学館『ランダムハウス英語辞典』(第2版)bulrushの項のスクリーンショットを示しました。古代エジプトで紙を作るのに使われた植物です。

先人が紙などの物質に記録を残してきた結果、私たちの現在があります。そのことへの感謝の念を込め、他者と自然への畏敬の念を形として表すことを企業理念の中心に据えて出版業に取り組みます。

ところで、なぜpapyrusではなく耳慣れないbulrushなのか。パピルスを名乗る出版社はすでにあったのと、法人登記に使える短い英単語は限られているというのが大きな理由ではありますが、代表の個人的な思いも込めました。英国のロックミュージシャン、ポール・ウェラー Paul Weller がザ・ジャム The Jam とスタイル・カウンシル The Style Council での活動を経てソロで再出発したときの第1作(1992年発表の Paul Weller)に収録されている曲の一つに Bull-Rush があります。直接的にはここからとりました。bull(雄牛)とrush(突進する)の組み合わせで「雄牛の突進か……」と予想して辞書を調べたら、意外にも植物の名前になっていて不思議に思い、記憶に残ったのです。実はこのrushは「突進する」の語とは別語源で「イグサ」を指すのですが。ポール・ウェラーのことは中学生の頃から敬意を持ってその動向を注目してきました。ソロ再始動は特に、時期的に自分の就職と重なったこともあり、格別の思い入れがあります。自身の名前を冠したシンプルなタイトルのそのアルバムは、ザ・ジャムでの大きな成功を捨ててスタイル・カウンシルで多様な活動を試みた末の商業的挫折を乗り越えて、もう一度音楽の世界で勝負する決意がみなぎる充実した作品だと思います。その姿勢を見習おうという気持ちがあります。

なお、紙にまつわる語を社名に採用したからといって、紙による出版にこだわるつもりはありません。電子書籍の形態をとることで、より広くより長く読者に届く可能性があるならば、積極的に電子出版にも取り組みます。また、書籍の売り上げを伸ばすための書籍以外の商材の開発も進めます。

お引き立てのほど何卒よろしくお願い申しあげます。

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